日々の取り組みを、目指す未来へつなぐWayプロジェクト始動(前編)
オールアバウトは、2022年7月に「日常をよりよくするプロジェクト」を始動しました。このプロジェクトを発足した背景や経緯、また目指すものについて推進メンバーに話を伺いました。
寺門 伸悟(てらかど しんご) システム部 ジェネラルマネジャー 中央大学文学部卒業後、ネットワーク管理業務を経て、2009年にオールアバウトに入社。入社後はヘルプデスク業務を経て広告(配信、販売管理)やメディアのシステムを担当。一時オールアバウトを離れて2013年に復帰後は会員基盤や新サービスの開発、開発基盤の整備、及びインフラのクラウド移行推進などに従事し、現在はシステム部ジェネラルマネジャーを担当。 |
竹之下 葉月(たけのした はつき) 経営管理部 人事総務グループ マネジャー 2005年にオールアバウトに入社。経理・総務・法務等コーポレートスタッフ、事業部での数値管理・営業企画、新規事業立ち上げに従事後、2017年より現職に。「個」のチカラを引き出し活かす「組織」という仕組みの可能性を信じ、奮闘中。 |
■閉塞感、疲弊感を打ち破る
―「日常をよりよくするプロジェクト」とは、簡単に言うとどういったプロジェクトなのでしょうか。
竹之下
オールアバウトは今まで「個人を豊かに、社会を元気に。」というMission、「テクノロジーと人の力で『不安なく、賢く、自分らしく』を支えるプラットフォームになる。」というVision、「システムではなく、人間。」というPhilosophyを企業理念として掲げてきましたが、新たに「Way(大切にする仕事のやり方)」を設けました。
オールアバウトグループの企業理念
オールアバウトグループの「Mission」、「Vision」、「Philosophy」をご紹介します。
「Way」は、私たちの日常をよりよくしてパフォーマンスを高め、オールアバウトのMission・Vision・Philosophyにつなげていくための道しるべのようなものです。2021年12月にボードメンバーと推進メンバーが言語化に取り組み始め、2022年7月にリリースすることができました。
この取り組みの必要性は急に生じたのではなく、長い年月をかけて少しずつ高まってきたと認識しています。
この取り組みの必要性は急に生じたのではなく、長い年月をかけて少しずつ高まってきたと認識しています。
―もう少し詳しくお願いします。
竹之下
ここ数年、Missionと日常の実務とのつながりが感じにくいという声を耳にするようになっていました。
寺門
もともと、オールアバウトには企業理念に惹かれて入社する社員が多いです。また、入社時に江幡さん(代表取締役社長 兼 グループCEO)の考えや大事にしていることを伝えるビジョン研修があるなど、理念に触れ意識する機会があります。しかしながら「個人を豊かに、社会を元気に。」というMissionが、日常の業務において感じづらくなり、仕事の意義ってなんだっけ? と行き詰まりを感じる人が増えてきていました。
現場ではもちろん創意工夫をしているものの、会社やビジネスの成熟に伴って変化を感じにくくなっており、その結果、もやもやとした閉塞感、疲弊感、あきらめ感というものが溜まってきていました。合わせて、若手の離職率も少しずつ上昇してきていました。
この流れをここで断ち切らなくては、ということでプロジェクトが発足しました。
現場ではもちろん創意工夫をしているものの、会社やビジネスの成熟に伴って変化を感じにくくなっており、その結果、もやもやとした閉塞感、疲弊感、あきらめ感というものが溜まってきていました。合わせて、若手の離職率も少しずつ上昇してきていました。
この流れをここで断ち切らなくては、ということでプロジェクトが発足しました。
ーなぜ今だったのでしょう。
竹之下
世の中の流れとしてはDX化などデジタルを駆使したサービスへのニーズが高まっており、オールアバウトにとっては非常にチャンスの多い状況です。オールアバウトのMissionを果たすためにも、この時流に乗り、より規模の大きいビジネスを通じて社会に価値提供していきたいと考えています。
そのためには、事業・プロダクトのチカラだけでなく人・カルチャーのチカラをこれまで以上に高めていかなければいけない、常によりよく変化、進化していかなければいけないという危機感があったためです。
そのためには、事業・プロダクトのチカラだけでなく人・カルチャーのチカラをこれまで以上に高めていかなければいけない、常によりよく変化、進化していかなければいけないという危機感があったためです。
■二方向からのアプローチで、“ちょうどいい”言葉を見極める
―Wayリリースまでのポイントを教えてください。
ポイントその1 二方向からアプローチ
竹之下
会社が大切にする価値観や目指す姿、事業戦略に基づいて、理想からWayを作るだけでは、本当に実効性のあるものを作ることが難しいと感じました。
そこで、現在地(帰納的アプローチ)と理想(演繹的アプローチ)を見据えながらWayを作っていくことにしました。
全社向け説明会の資料から抜粋
―トップダウン型だけではないということですね。
寺門
はい。理想が現実とあまりにも遠くて理想にどうしたら近づけるかが分からないと、社員はやってみようという気になりにくいですよね。そこで、今いる私たちはどういうことに面白さを感じるか、どういうときにモチベーションが上がるかという現在地を把握し、そこに沿ったWayを作ることが必要だと考えました。それが帰納的アプローチです。
具体的には、社員にインタビューやパーソナリティ検査を実施して、社員目線での会社・事業の現状や既存社員の性格傾向を確認することでいい塩梅の落としどころを模索しました。
具体的には、社員にインタビューやパーソナリティ検査を実施して、社員目線での会社・事業の現状や既存社員の性格傾向を確認することでいい塩梅の落としどころを模索しました。
―パーソナリティ検査からどんなことが分かりましたか。
竹之下
もともと弊社にはいい人が多いとはよく言われており、根がまじめなキャラクターの人が多いです。コツコツ物事を進める特徴があることは分かっていたのですが、今回改めて確認できたポイントもありました。
例えば、誰かに勝つことよりも自分の納得のいく目標をきちんと達成することにやる気が出るタイプが多いこと。また、広く浅く多くの人と関わるより、一人でじっくり物事に取り組んだり、深い人間関係を築くことを求めるといった傾向も見られました。Wayの言語化段階ではこのような社員のキャラクターを踏まえてひとつひとつ言葉を選んでいきました。
また、Wayを日常に根付かせるための取り組みにもヒントが得られました。例えば、自己開示や他者理解の取り組みをする場合には、大人数でライトにわいわいするよりも少人数でじっくり話せる場を作った方がよさそうだとか。よりオールアバウトのカラーに合った取り組みができるのではと考えています。
例えば、誰かに勝つことよりも自分の納得のいく目標をきちんと達成することにやる気が出るタイプが多いこと。また、広く浅く多くの人と関わるより、一人でじっくり物事に取り組んだり、深い人間関係を築くことを求めるといった傾向も見られました。Wayの言語化段階ではこのような社員のキャラクターを踏まえてひとつひとつ言葉を選んでいきました。
また、Wayを日常に根付かせるための取り組みにもヒントが得られました。例えば、自己開示や他者理解の取り組みをする場合には、大人数でライトにわいわいするよりも少人数でじっくり話せる場を作った方がよさそうだとか。よりオールアバウトのカラーに合った取り組みができるのではと考えています。
ポイントその2 ボードメンバーの覚悟
竹之下
今回リリースまでたどり着けた理由として、江幡さんを始めボードメンバーのやりきる覚悟が大きいと思います。そのひとつの表れが、外部のコンサルタントにジョインいただいたことです。
理念策定浸透の基本セオリーや他社事例など、専門的知見を踏まえた上でオールアバウトにとって一番いいやり方を選択していくために、人事領域に詳しい(株)人材研究所さんと、ブランディングに強い(株)パラドックスさんに入っていただきました。人事領域において内製文化の強かったオールアバウトが今回外部の力を取り入れ活かすという選択をしたことは、なんとしても成功させるというボードメンバーの強い意思によるものと考えています。
社員からも、きちんと体系立てて考えて作っているんだなと好意的に受け止められています。
理念策定浸透の基本セオリーや他社事例など、専門的知見を踏まえた上でオールアバウトにとって一番いいやり方を選択していくために、人事領域に詳しい(株)人材研究所さんと、ブランディングに強い(株)パラドックスさんに入っていただきました。人事領域において内製文化の強かったオールアバウトが今回外部の力を取り入れ活かすという選択をしたことは、なんとしても成功させるというボードメンバーの強い意思によるものと考えています。
社員からも、きちんと体系立てて考えて作っているんだなと好意的に受け止められています。
(株)人材研究所 代表 曽和様からのコメント
本プロジェクトにおいて、我々はオールアバウトさんが「理想の姿」を目指していく上で、組織の現状を知るということを目的に、インタビュー及びパーソナリティ検査という、組織の内面に"踏み込んで"いくような分析を行いました。
これまでの組織の変遷や業務に対する想いをお伺いする中で、特に組織に対する想い入れが強い方が多いように感じ、共通している「何か」はあるものの、それが言語化・共有化できていない状況があるように感じました。「社会」や「世の中」に対するインパクトなど、意識している対象が広いサービスを提供していることも理由の1つだと思います。
今回生まれた言葉は、おそらくこれまで多くのメンバーが抱えていた、目の前の業務や日々の取り組み、周囲のメンバーに対する想いを表現したもので、この言葉をこれからメンバー全員で深く味わっていくことで、更に良さがにじみ出てくるものではないかと考えております。
本プロジェクトにおいて、我々はオールアバウトさんが「理想の姿」を目指していく上で、組織の現状を知るということを目的に、インタビュー及びパーソナリティ検査という、組織の内面に"踏み込んで"いくような分析を行いました。
これまでの組織の変遷や業務に対する想いをお伺いする中で、特に組織に対する想い入れが強い方が多いように感じ、共通している「何か」はあるものの、それが言語化・共有化できていない状況があるように感じました。「社会」や「世の中」に対するインパクトなど、意識している対象が広いサービスを提供していることも理由の1つだと思います。
今回生まれた言葉は、おそらくこれまで多くのメンバーが抱えていた、目の前の業務や日々の取り組み、周囲のメンバーに対する想いを表現したもので、この言葉をこれからメンバー全員で深く味わっていくことで、更に良さがにじみ出てくるものではないかと考えております。
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