リモートワークって実際どうなの?試験導入の様子をレポート ※トライアルルールも全公開
オールアバウトでは2018年2月より、リモートワーク制度を試験導入することになりました。そこに込めた人事グループの想いや、実際にリモートワークを実践した社員の話を通じて、オールアバウト的”働き方改革”の実態に迫ります。また、記事の最後には弊社が策定した導入時のトライアルルールも公開しているので、これから自社でも取り組みを検討している人事担当者の方は必見です!
こんにちは、広報グループの柏原です。昨年あたりから”働き方改革”が声高に叫ばれる中、各社さまざまな取り組みを行っています。かくいう弊社も、社員の声を拾いながら人事グループを中心にオールアバウトならではの働き方ってなんだろう?という議論を繰り返した結果、2018年2月よりリモートワークをトライアル運用しています。
そこでリモートワークの目的や、そこに至るまでに経営層と議論になったポイントを人事担当者にインタビュー。加えて、すでに実践した社員数名にもそのメリット・デメリットをざっくばらんに語ってもらいました。
そこでリモートワークの目的や、そこに至るまでに経営層と議論になったポイントを人事担当者にインタビュー。加えて、すでに実践した社員数名にもそのメリット・デメリットをざっくばらんに語ってもらいました。
■リモートワークは「きっかけ」に過ぎない
――――リモートワークのトライアルに至った経緯を教えてください。
岡部:
2017年の夏頃に社内で「働き方」に関するアンケート調査を実施したところ、リモートワークに対する強いニーズが見て取れました。また、同時期に執行役員と人事方針について議論する合宿を行った際、オールアバウトの企業ビジョンである「個人を豊かに、社会を元気に。」を実現するために社員に求めていくことの一つとして「自立」というキーワードが出てきていました。
「自立」を重んじる会社なのですから、働き方も「自立」を促すきっかけとなるものにしたいと人事グループで議論をし、リモートワークについて経営陣に提案したのです。実は、人事グループとしては、リモートワークそのものにはあまりこだわっていません。先行して取り組んだ企業が取りやめている事例もあり、メンバー全員が自立した大人でないと成り立たない仕組みだとも感じています。そのため、経営陣と慎重に議論を重ねました。今このタイミングでのトライアルに踏み切ったのは、個人・組織に対して意図的に”ゆらぎ”を与えたかったからなのです。
「自立」を重んじる会社なのですから、働き方も「自立」を促すきっかけとなるものにしたいと人事グループで議論をし、リモートワークについて経営陣に提案したのです。実は、人事グループとしては、リモートワークそのものにはあまりこだわっていません。先行して取り組んだ企業が取りやめている事例もあり、メンバー全員が自立した大人でないと成り立たない仕組みだとも感じています。そのため、経営陣と慎重に議論を重ねました。今このタイミングでのトライアルに踏み切ったのは、個人・組織に対して意図的に”ゆらぎ”を与えたかったからなのです。
――”ゆらぎ”というのは具体的にはどういうことなんでしょうか?
竹之下:
”ゆらぎ”を与えたい、というのは、「自立」を促す過程として、意図的に「不安定」を創り出したい、ということです。オールアバウトが「自立」という考え方を大切にしているのは、私たちを取り巻く社会環境の先行きが不透明であり、より厳しくなっていくことが予想される中で、世の中の人が、自ら知識・スキルを身に付け、自分ならではの夢や思いをもって、自分らしく豊かに生きるお手伝いをすることが、オールアバウトの存在意義だと考えているからです。
しかしながら、その社会的意義を実現しようと言っているオールアバウトの社員自身の働き方に関して「自立」を促進する仕組みになっているか?と問われると、そこはまだ満足できるものではないと感じています。今回のリモートワーク導入は、「働く場所・時間」に関して制約を取り払い、社員が「自立的・自律的に」働けるようにする取り組みのひとつです。
この取り組みを手放しで喜ぶ社員がいる一方で、良くも悪くもオールアバウトのメンバーにはお行儀がよい人が多く、「自分で決めてよい」というスタイルにとまどいを覚える節もあります。そのとまどい・不安に向き合っていくことが自立のために必要ではないかと考えています。
今回の取り組みの狙いは、「オフィス以外の場所で仕事をしてほしい」のではなく、「場所・時間にとらわれず、自分・チーム・会社にとってよいと思う働き方を自分たちで考えて働いてほしい」というものです。ここで肝となるのが「自分たちで決める」ということです。そのための仕掛けとして、会社全体としてはざっくりしたルールしか設けず、詳細なルールについては、チームごとに話し合って考えてもらうことにしました。
「自チームのパフォーマンスを上げるのは、どういう働き方か?」を考えるためには、自組織のミッションや構成メンバー各自の役割を見つめ直すことが必要となります。このプロセスを経ることで、自分たちが取り組むことの意義への理解が深まり、高く・深く・広く・長い視点で新しいアイデアが出てくることを狙っています。その意味で、オールアバウトにとってリモートワークは、それ自体が働き方改革の目玉なのではなく、自立を促す長い長い取り組みの、ひとつの「きっかけ」なのです。
しかしながら、その社会的意義を実現しようと言っているオールアバウトの社員自身の働き方に関して「自立」を促進する仕組みになっているか?と問われると、そこはまだ満足できるものではないと感じています。今回のリモートワーク導入は、「働く場所・時間」に関して制約を取り払い、社員が「自立的・自律的に」働けるようにする取り組みのひとつです。
この取り組みを手放しで喜ぶ社員がいる一方で、良くも悪くもオールアバウトのメンバーにはお行儀がよい人が多く、「自分で決めてよい」というスタイルにとまどいを覚える節もあります。そのとまどい・不安に向き合っていくことが自立のために必要ではないかと考えています。
今回の取り組みの狙いは、「オフィス以外の場所で仕事をしてほしい」のではなく、「場所・時間にとらわれず、自分・チーム・会社にとってよいと思う働き方を自分たちで考えて働いてほしい」というものです。ここで肝となるのが「自分たちで決める」ということです。そのための仕掛けとして、会社全体としてはざっくりしたルールしか設けず、詳細なルールについては、チームごとに話し合って考えてもらうことにしました。
「自チームのパフォーマンスを上げるのは、どういう働き方か?」を考えるためには、自組織のミッションや構成メンバー各自の役割を見つめ直すことが必要となります。このプロセスを経ることで、自分たちが取り組むことの意義への理解が深まり、高く・深く・広く・長い視点で新しいアイデアが出てくることを狙っています。その意味で、オールアバウトにとってリモートワークは、それ自体が働き方改革の目玉なのではなく、自立を促す長い長い取り組みの、ひとつの「きっかけ」なのです。
――一般的にリモートワークは業務効率や生産性向上といった目的で語られることが多いと思うのですが、そのあたりどうですか?
竹之下:ひとつの仕事に集中できるようになったり、災害時でも業務が進められるなど、業務効率や生産性の向上もあるとは思ってます。ただ、より大事なのは、先ほどの話につながりますが、働き方の自由度が増すなかで、働くことの本質的な意味を問い正し、新しい発想や、抜本的な改善の芽が生まれてくることです。
また、どこでも働けることで、仕事とプライベートを合わせた生活全体の質が上がり、巡り巡って成果・業績にもプラスの影響が出ると信じています。
また、どこでも働けることで、仕事とプライベートを合わせた生活全体の質が上がり、巡り巡って成果・業績にもプラスの影響が出ると信じています。
――生活全体の質が上がるとは?
竹之下:
例えば、共働きで子育て中の男性社員(当社でも多いケースです)の場合。日中に子どもの保育園、幼稚園、学校等の行事があるとき、これまでは奥様が会社を休むなどして対応していました。今ではリモートワークが選択できることにより、夫である男性社員が、朝からお昼過ぎまで行事に参加し、その後オフィスに行かずに自宅で仕事に取組む、といったことが可能になっています。
負担感なく仕事も家庭の役割も果たすことができる。これだけでも素敵な変化ですが、効果はそれだけではありません。子育てをしながら働く女性にとって”夫に頼っていいんだ”と思うことができるのはとても心強いと思います。夫婦の信頼関係が強固になり、心身ともに健全な状態を保てることによって家庭の幸福度が上がります。幸せを感じているときとそうでないときのパフォーマンスはどちらが高いでしょうか?
私たちは、一人ひとりの社員に、幸せな状態で生産性高く、イノベーティブな仕事をしてもらいたいと考えています。
負担感なく仕事も家庭の役割も果たすことができる。これだけでも素敵な変化ですが、効果はそれだけではありません。子育てをしながら働く女性にとって”夫に頼っていいんだ”と思うことができるのはとても心強いと思います。夫婦の信頼関係が強固になり、心身ともに健全な状態を保てることによって家庭の幸福度が上がります。幸せを感じているときとそうでないときのパフォーマンスはどちらが高いでしょうか?
私たちは、一人ひとりの社員に、幸せな状態で生産性高く、イノベーティブな仕事をしてもらいたいと考えています。
――4月末までがトライアル期間で、その後、本導入するか検討とのことですが、KPIはあるのですか?
岡部:KPIについては随分議論しましたが、特定の数値目標などは敢えて設けないことにしました。リモートワークの利用率等の数値はあくまで参考であり、一番大事なのは”クリティカルな悪いニュースがない”ということですね。「クリティカルな悪いニュース」とは、例えば、取り組みの趣旨に沿わないネガティブな使い方(周囲へ迷惑をかける、サボる等)が見受けられる、業務時間の極端な増減、業績悪化といった状況です。
トライアル期間も残り1ヶ月となりましたが、これまではそのような傾向は見られません。ただ、取り組みの趣旨を忘れ、リモートワークというひとつの形だけが残ってしまう、ということにならないよう、継続的に趣旨を伝えていく活動を行っていく必要はあると考えています。
トライアル期間も残り1ヶ月となりましたが、これまではそのような傾向は見られません。ただ、取り組みの趣旨を忘れ、リモートワークというひとつの形だけが残ってしまう、ということにならないよう、継続的に趣旨を伝えていく活動を行っていく必要はあると考えています。
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