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もっと自由に!もっと心地よく! 自分の「好き」をまとえば、 もっとファッションは楽しくなる【ファッションガイド 宮田 理江】

ファッションガイドの宮田さんはガイド歴10年。All Aboutでの掲載記事は460本を超えた。ファッションの最先端から自分流のファッションアドバイスまで執筆範囲は幅広く、流行と自分流をうまくミックスした解説記事が人気の秘密。宮田さんの原点とファッションに対する想いを伺ってきた。

All About【ファッションガイド 宮田 理江】

宮田 理江(みやた りえ) ファッションジャーナリスト。最新コレクションのランウェイ分析から、リアルトレンドを落とし込んだ着こなし解説まで、「ファッションの今」を分かりやすく伝える情報を様々なメディアで発信している。ファッションブランド店長、バイヤー、プレスなどの豊富な現場キャリアを生かしたスタイリング提案に強みを持つ。

ちょっと変化を加えるとずっと可愛くなる楽しさ

着せ替え人形で遊んだ経験は女の子なら誰しもあるかと思うが、宮田さんも例外ではない。子どもの頃から、服が大好き。
普通の人とちょっと違うのは、随分と小さな時期から自分で自分の洋服も選んでいたこと。そして新聞広告のモデルが着ている服の写真を切り抜いて「これをください」と実際に店まで買いに行ったり、人形や妹の髪の毛を切ってしまったり。

元気いっぱい好奇心いっぱいの子どもらしい他愛のないいたずらのようだが、子どもなりのこだわりがあったのだろう。
リボンをつける、ふわふわした飾りを作る、スカートの丈を短くする。変化を加えてちょっとアレンジすればずっと可愛くなることに興味のあった子ども時代。それは今でも変わらない宮田さんのファッションの原点だ。

中学生までに親の仕事の都合で、香港も含め8回も引越しをしたという。引越しをするたびに制服や人間関係が変化して、その中で自分という個人を確立していく。今でもどちらかというと同じところに安住しているよりは、新しいものや環境が好きだという宮田さんは、転勤族だった影響も少しはあるのかもしれない。

ほっとできるのは、異質なものでも受け入れてくれる包容力のあるコミュニティだ。
たとえば2年間住んだ香港の雑多なごちゃごちゃ感や、大人になってから行ったパワフルなNYなどが性に合う。


「私自身は、ヴィンテージファッションと新しいもののミックスコーデやブランドものとチープなものの組み合わせなどが大好きです」

異質なものを受けいれるNYが大好き

ファッション好きが高じて、会社員を経てアパレルブランドへ転職。仕事ではじめてNYに行ったときに、そのパワフルなこと、人を受け入れる度量の深さにとりこになった。

「その後、年に3回ほど出張でNYに行くようになり、そのたびにNYが好きになっていきました。世界各国から多様な人種が集まっているからファッションも多彩ですね」

宮田さんが好きな、複数のテイストを組み合わせるミックスコーデもNYではずっと昔から浸透していたスタイリングだ。ラグジュアリーブランドとお手頃価格品を混ぜるハイ&ローのミックス、ヴィンテージと最新のミックスなど、NYファッションからは少なからず影響を受けた。

「NYの良さは、他人がどんなものを着ていようが、批判はしないこと」と宮田さんは言う。それはお互いの個性を認め合っているからにほかならない。一方で、「すてきだな」と思った装いをしていれば、見知らぬ人であってもすぐ話しかけて「あなたのその靴いいね、帽子いいね、どこの?」と気さくに話しかける褒め上手の文化でもある。

「日本は洋服の歴史が浅い分、比較的自由にファッションを楽しんでいると思います。それでも他人の目を気にしすぎていないでしょうか」

自分のファッションは人から見て派手だと思われないだろうか。でも地味と思われたらもっとイヤだ……。そんな日本人の意識が、本来自由で楽しいファッションの幅を狭くしているのでは、と宮田さんは感じている。

「もちろんTPOのファッションルールは必要ですが」と前置きした上で「ファッションは、人のために着るのではなく、自分のために着るもの。自分が心地いいとか、これを着るとワクワクするとか、今日はハッピーだとか気持ちがいいと思える服を好きなように着てみたらいいと思いますよ」と語ってくれた。


ライダースとスカーフはヴィンテージ。スカートとクラッチバッグはパリコレブランド、ブーツはNYブランドでテイストミックスでまとめた


普段はポーチを多用。旅先ではちょっとしたクラッチバッグとしても使えて、何かと重宝する。手前はレスポートサックとオランピア ル タンのコラボレーションコレクション「Olympia Le-Tan for LeSportsac」のキュートなもの

コミュニケーションツールとしてのファッション

では宮田さんにとってファッションとはなんだろうか。
ファッションとは、自己表現の手段であると同時にコミュニケーションツールの一つでもあると宮田さんはいう。
「その靴、すてきですね」といった一言が会話のきっかけにもなる。
「かわいいですね、どこで買ったんですか?」
「とても似合いますね、その帽子」

そんな何気ないやりとりから、会話が生まれ、関係が育つ。宮田さんは実際にNYだけではなく世界各国でそんな経験をしている。ファッションで異文化コミュニケーションが生まれる瞬間だ。

「残念ながら日本人は、道で出会った人にその服について聞いちゃいけないと思っていますよね、ちょっと残念。もっとお互いを尊重して、すてきならすてきと言ってみてもいいのでは」。


偶然隣にいたロシア人の女の子と、トップスが「唇」モチーフでおそろい。そこから話が弾み、最新ファッションの情報交換までしてしまったとか。パリコレ期間中の美術館前での出来事

欠点隠しだけがファッションではない

はずかしながら、胴長短足の筆者にとってのファッションは、今まで「欠点をいかに隠すか」ということに重きをおいていたかもしれない。
確かにファションには、スタイルの悪い部分を補ったり隠したりといった側面があるのも事実。だが、それはメインではない。
「自分の好きな部分をどんどん主張しましょう。そうすれば、自分をもっと好きになれるし、服の着こなしも楽しくなって、上手になりますよ」

トレンドも時には取り入れ、時には無視する。あくまでも主体は自分であるべきなのだ。
「ファッションは単なる『カッコつけ』ではなく、自分らしく過ごすための大切なたしなみであるということを、多くの人に知ってもらいたいと思います」
宮田さんのメッセージは力強く、やさしい。


「お気に入りの服を着たり靴を履いたりすると、自然とポジティブな気分になれるはず。そういった前向きでウキウキした感覚を、ファッションを通じて感じてほしいですね」

仕事が仕事を呼ぶ

宮田さんがAll Aboutガイドになったのは、2005年。すでにガイド歴10年目というベテランだ。

販売員の頃から、自分が提案した商品やスタイリングをお客様に喜んでもらえることがうれしかった宮田さん。今は、自分の書いた記事を読んで「なるほどね!」と晴れやかな笑顔になっている人を想像しながら文章を綴る。

ガイドになりたての頃は、記事に関しての反応もメールでしかわからなかったが、今では、即SNSでシェアをされ、新たなユーザーを呼び起こす反応も来る。

「反応が早いので、会ったことのない人たちと、まるで対面で接しているような錯覚を覚えるほど」と昨今のSNSの進化には宮田さん自身驚くほどだが、そのスピード感は自分に合っていると感じている。記事は一般ユーザー向けに書く。だがAll Aboutの記事に関しては、メディアも注目しており、記事を読んだ人から仕事の依頼が来るという「仕事が仕事を呼ぶ」連鎖がとりわけ顕著だ。

一つひとつの仕事に丁寧に向き合うこと、相手の期待以上の結果を出すことを自らに課して仕事を続け、All About PVランキング年間2位という結果を出してもいる。


持ち歩き用のPCと携帯。モスキーノのiPhoneケースは、アイキャッチーなデザイン。パッと写真を撮り、インスタにアップすることも多い

新たにブランドをスタート

去年の4月にTV通販のみで販売される、自身がプロデュースするブランド「mieuxrie(ミューリエ)」がスタートした。ミューは「よりよい」という意味のフランス語。そこに「理江」をかけた造語だ。素材、デザインから考え、ブランドを作り上げていく力は、今まで丁寧につむいでいった仕事の積み重ねからもらった。

ファッションの仕事といっても多種多彩だ。販売員から始まった宮田さんのファッション界での仕事は、ライティング、トレンド解説、イベント出演、ディレクション、プロデュース、コンサルティング、コメンテーターと広がってきた。

「今後も、ファッションの川上から川下まで幅広く取り組んでいきたいと考えています」と語る宮田さん。さまざまな切り口でより多くの人に「ファッションの楽しさ」を伝えてくれることだろう。


mieuxrie(ミューリエ)ブランドの新作。付け襟とニットがセットでかわいい。レースのベストはリバーシブルとなっている。自分流の多彩な着こなしのできる逸品だ


「SNSのインスタグラムでたくさんの画像が公開されるようになってきたので、アクセスもしますし、自分でも頻繁にアップしています」
文/宗像陽子 写真/鈴木愛子
※本記事の内容は取材時点(2015年5月)の情報です。
【取材協力】
ブランドニュース
http://brand-news.jp/
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