心がけているのは精度の高い評論と鮮度の高い情報 ゴールは女性にもっとラーメンを広めること【ラーメンガイド 本谷 亜紀】
ラーメン女子大生から日本初の女性ラーメン評論家へ─。 ラーメンの奥深い魅力の虜になり、人気情報バラエティ番組の出演を経て、本格的なラーメン評論家の道を歩み始めた本谷亜紀さん。いつかは自分の店を開きたいと語る本谷さんの原点とは。
All About【【ラーメンガイド 本谷 亜紀】
本谷 亜紀(ほんや あき) 元“ラーメン女子大生”としてTVで活躍し、現在は年間ラーメン約350杯を食べ歩くラーメン評論家。女性ならではの目線で語り、女性が気楽にラーメンを食べに行ける文化を目指す。著書『日本初の「女性ラーメン評論家」になっちゃいました!』 |
ラーメン評論家の進路は必然だった
忙しい時間を縫っては、ラーメンを食べ歩く。その数、年間約400杯。日本初の女性ラーメン評論家として活躍する本谷亜紀さんがこの道に足を踏み入れたのは、ある意味、必然だったのかもしれない。
「もともとご飯が食卓に並ぶことが少ない家庭で、ラーメン、そば、うどんといった麺類がメニューの中心でした。父は麺類の中でもとりわけラーメンが好きで、小学生の時からよく食べに連れていってくれたんですよ。私も高校生になると、自らラーメンの食べ歩きに出かけるようになりました」
高校時代の本谷さんのバイブルは、著名なラーメン評論家である石神秀幸さんの著作。当時通っていた予備校が池袋にあったため、石神さんの本を読んでは池袋界隈のラーメン店に足を運ぶ日々。毎月5000円のお小遣いの中でやりくりしながら、本谷さんはますますラーメンの奥深い世界の虜になっていった。
「もともとご飯が食卓に並ぶことが少ない家庭で、ラーメン、そば、うどんといった麺類がメニューの中心でした。父は麺類の中でもとりわけラーメンが好きで、小学生の時からよく食べに連れていってくれたんですよ。私も高校生になると、自らラーメンの食べ歩きに出かけるようになりました」
高校時代の本谷さんのバイブルは、著名なラーメン評論家である石神秀幸さんの著作。当時通っていた予備校が池袋にあったため、石神さんの本を読んでは池袋界隈のラーメン店に足を運ぶ日々。毎月5000円のお小遣いの中でやりくりしながら、本谷さんはますますラーメンの奥深い世界の虜になっていった。
ラーメンを年間400杯近く食べる本谷さんの必需品が電動歯ブラシと歯磨き。口の中をすっきりと磨き上げて、また新たな店へ足を運ぶ |
難関を突破し、ラーメン女子大生として活動開始
大学生になり、ラーメンサークル部の部長として活動していた本谷さんに、ある日、大きな転機が訪れた。情報バラエティ番組「お願いランキング」のラーメン隊オーディションに応募し、晴れて合格を勝ち取ったのだ。
「応募の動機は単純です。TVに出れば1日にラーメンが3杯食べられると聞いたから。当時、貧乏学生でしたからね(笑)。応募者は約600名もいて、筆記試験もあり、なかなか大変でしたが、なんとか合格することができました」
ラーメン官僚こと、田中一明さんのアシスタントとして番組に出演した本谷さんに付けられた愛称は「ラーメン女子大生」。当初、単発の企画だったが、反響が非常に高く企画はシリーズ化され、本谷さんはラーメン官僚の厳しくも暖かい指導のもと、「ラーメン評論」の経験を重ねていく。
「憧れのラーメン屋さんと直接お話しできるのは嬉しかったですね。本当に素晴らしい出会いばかりでした。ただ、とにかくたくさん食べないといけないし、コメントの精度を上げるように言われて苦労の連続。”美味しい”だけではだめ。素材についての踏み込んだ表現が必要です。かといってわかりやすくなければ仕方がない。発信方法についてはいまも勉強中です」
「応募の動機は単純です。TVに出れば1日にラーメンが3杯食べられると聞いたから。当時、貧乏学生でしたからね(笑)。応募者は約600名もいて、筆記試験もあり、なかなか大変でしたが、なんとか合格することができました」
ラーメン官僚こと、田中一明さんのアシスタントとして番組に出演した本谷さんに付けられた愛称は「ラーメン女子大生」。当初、単発の企画だったが、反響が非常に高く企画はシリーズ化され、本谷さんはラーメン官僚の厳しくも暖かい指導のもと、「ラーメン評論」の経験を重ねていく。
「憧れのラーメン屋さんと直接お話しできるのは嬉しかったですね。本当に素晴らしい出会いばかりでした。ただ、とにかくたくさん食べないといけないし、コメントの精度を上げるように言われて苦労の連続。”美味しい”だけではだめ。素材についての踏み込んだ表現が必要です。かといってわかりやすくなければ仕方がない。発信方法についてはいまも勉強中です」
食べ歩いたラーメン店の記録は小さなノートブックにまとめている。記すのは簡単なコメント。読み返せば、店の記憶がありありと蘇る |
評価基準は「安くて早くて美味しい店」
大学を卒業後、本谷さんは現在の会社に就職。その一方で、ラーメン評論家としての活動も開始した。時には「女性だから」という好奇の目で見られ、「ラーメンをただ食べていればいいんでしょう」と言われることも少なくない。だからこそ、本谷さんは自分に厳しい掟を課している。
「女性だからと自分を甘やかしたくない。これまでは本を見て食べに行く立場でしたが、いまは私がラーメン情報を発信する側。情報は正確でなくてはなりません。精度の高い評論と鮮度の高い情報を常に心がけています」
本谷さんが評価する店の基準は明瞭だ。安くて早くて美味しい店。といっても高い店を全否定しているわけではない。
「むだに高い料金設定をしている店は好きになれませんが、高くてもしっかりとしたこだわりの玉子をつけているとか、コストパフォーマンスに納得できる店も多い。重要なのはその値段に価値があるかどうかです」
「女性だからと自分を甘やかしたくない。これまでは本を見て食べに行く立場でしたが、いまは私がラーメン情報を発信する側。情報は正確でなくてはなりません。精度の高い評論と鮮度の高い情報を常に心がけています」
本谷さんが評価する店の基準は明瞭だ。安くて早くて美味しい店。といっても高い店を全否定しているわけではない。
「むだに高い料金設定をしている店は好きになれませんが、高くてもしっかりとしたこだわりの玉子をつけているとか、コストパフォーマンスに納得できる店も多い。重要なのはその値段に価値があるかどうかです」
本谷さんの朝を彩る野菜ジュース。以前はよく壊していた胃も、デトックスに励む食生活で快調そのものだ |
デトックスに努めて健康と体型を維持
ラーメンを食べ歩く本谷さんの食生活のキーワードは、「デトックス」だ。
「女性は男性よりもむくみやすい。ラーメンだけを食べ続けると1日で自分が太っていくのがわかるんです。本当に何も気にせずにラーメンをひたすら食べていたいのですが、美容に気をつけないとラーメンのせいにされてしまう。それは悲しいので、デトックスを意識した食生活を送っています」
本谷さんの一日は野菜ジュースやフルーツで始まる。昼食はラーメンとサラダ。夜もラーメンを食べに行くが、会社での職務上会食が多く、ラーメンに加えて焼肉を食べるという日も珍しくない。だからこそ、デトックスが必須となる。
「人より変わった食生活ですから、週に1回はごぼうやこんにゃく、人参を煮込んだ料理を食べるなどしてデトックスに努め、野菜は人の2倍は食べます。甘いモノは食べず、無駄なカロリーも取りません。どくだみ茶からハーブティーまでお茶もよく飲みますね。おかげで、健康診断は何の問題もないんですよ」
そう笑う本谷さんの肌は明るく、活力に満ちている。ラーメンを愛するがゆえのデトックス作戦が奏功していることは間違いない。
「女性は男性よりもむくみやすい。ラーメンだけを食べ続けると1日で自分が太っていくのがわかるんです。本当に何も気にせずにラーメンをひたすら食べていたいのですが、美容に気をつけないとラーメンのせいにされてしまう。それは悲しいので、デトックスを意識した食生活を送っています」
本谷さんの一日は野菜ジュースやフルーツで始まる。昼食はラーメンとサラダ。夜もラーメンを食べに行くが、会社での職務上会食が多く、ラーメンに加えて焼肉を食べるという日も珍しくない。だからこそ、デトックスが必須となる。
「人より変わった食生活ですから、週に1回はごぼうやこんにゃく、人参を煮込んだ料理を食べるなどしてデトックスに努め、野菜は人の2倍は食べます。甘いモノは食べず、無駄なカロリーも取りません。どくだみ茶からハーブティーまでお茶もよく飲みますね。おかげで、健康診断は何の問題もないんですよ」
そう笑う本谷さんの肌は明るく、活力に満ちている。ラーメンを愛するがゆえのデトックス作戦が奏功していることは間違いない。
いつかは自分の店を開きたい
本谷さんは、今年、初の著作を上梓した。『日本初の「女性ラーメン評論家」になっちゃいました!』(扶桑社)だ。活躍の舞台も確実に広がっている。本の出版を機に、ラーメン好きだけが参加するトークショーを検討しているほか、さまざまな企画や連載を計画中だ。
「昔はラーメン屋に行くと、女性は私ひとりということがほとんどでしたが、今は女子高生でもひとりでラーメンを食べている。ものすごい変化ですよ。女性に特化したお店も増えています。私もいつかは自分のお店を出してみたい。これが最終的なゴールかな」
ラーメン評論家と会社員。現在は二足のわらじを履く生活を送っている本谷さんが見据える先は、「ラーメンをもっと女性に広めること」。目標に向けて着実に進む本谷さんの足取りは軽い。
「昔はラーメン屋に行くと、女性は私ひとりということがほとんどでしたが、今は女子高生でもひとりでラーメンを食べている。ものすごい変化ですよ。女性に特化したお店も増えています。私もいつかは自分のお店を出してみたい。これが最終的なゴールかな」
ラーメン評論家と会社員。現在は二足のわらじを履く生活を送っている本谷さんが見据える先は、「ラーメンをもっと女性に広めること」。目標に向けて着実に進む本谷さんの足取りは軽い。
このカメラで撮るのはラーメンのみ。シャッターチャンスは一度だけ。絶妙のタイミングを今日も狙う |
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