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まずは健康であれ。 きちんとご飯を食べ、 規則正しい生活が「美」をもたらす【食事ダイエットガイド 浅尾 貴子】

ダイエットといっても、不健康なダイエットはNG! きちんと栄養バランスを取りながら、よい生活習慣を身につけたら、自然にスッキリと美しくなれるはず。そんなダイエットを提唱する浅尾さんは、管理栄養士であり、フードコンサルタント、さらには大学の助教と食・栄養に関するプロ。浅尾さんの原点を探る。

All About【食事ダイエットガイド 浅尾 貴子(あさおたかこ)】

浅尾 貴子(あさお たかこ) 管理栄養士歴19年。食べ物のカロリーや栄養バランスに関するアドバイス、美容や健康のアドバイザーや女性誌やコラムの執筆業として活躍中。「栄養学の基本知識を大切にした上で、ダイエッター個人のライフスタイルにあわせた、より実現可能なアドバイスを行う」が信条。

人生をリセット!生活を改める

フェミニンなスカートに真っ白なブラウス。髪の毛は縦ロールにきれいに巻いた浅尾さんんが颯爽と街を歩く姿は、まるで学生のよう。しかし実は浅尾さん、管理栄養士であり、大学では実践的栄養学やメニュー開発のノウハウについて教えている栄養学の先生なのだ。

「料理好きの母の影響で、小さい時から食関係の仕事に携わりたいと思っていました」という浅尾さん。進学は栄養学科を選択。「食」の分野で社会に役立つ仕事の入り口として管理栄養士を選んだ。

大学卒業後は、会社員として食関係の商品開発等に携わる。管理栄養士として、健康に必要な栄養について多くの知識を得たはずなのに、実際に社会にでて働いてみると健康を保つことはなかなかむずかしかった。
夜遅く食べること、食事内容が偏ること、食べ過ぎたり、食べる暇もなかったりすること……。忙しい現代人に正論だけを突きつけても浸透しないことを浅尾さんは自らが学ぶこととなった。
20代のころは、多少不摂生をしても翌日には復活したし、体に影響することはない。けれども年を経るにつれ、無理は効かなくなってくる。
「あるとき、ショーウインドウに映る自分の姿が、とてもやつれて肌もボロボロ、髪の毛もバサバサで、驚きました」
いつの間にか、浅尾さんの体は悲鳴をあげていた。

浅尾さんの人生にとって大きな転機となったのは2006年のこと。
リセットの人生は、まずは生活を整えることからと考えた浅尾さんは、毎日、朝ごはんをきちんと食べることとランニングを日課とした。なにを食べるかは当日朝の気分次第。
「今日はなにを食べようかな。そうだ。ベーグルにしよう、確かハムがあったはず」といったモチベーションでベッドから起き上がるというから、浅尾さんは「正しい食いしん坊」と言ってもいいのかもしれない。
なるべく毎朝同じ時間に起きる。あるものでさっと朝食を作る。無理なく続けられる20分程度のランニング。そしてそれをブログにアップする。そんな毎日を続けることで浅尾さんは少しずつ健康をとりもどしていった。


今日は玄米で「おにぎらず」を作る。具はメンチカツとコールスロー、豚肉と卵など、やさしい味付けで栄養満点

健康じゃなければ美しくなれない!

その後母校女子栄養大学からの招きで、教壇に立つこととなる。「自分のキャリア設計の中では、大学で教えるということは考えたこともありませんでした」と浅尾さんは笑う。

管理栄養士を目指す学生、企業でメニュー開発などを携わりたいと夢見る学生に指導を続けてすでに8年になる。

多少の不摂生が表に出ない若い年代にも、食生活の大切さ、健康の大切さを伝えたいという思いは、より強くなっている。

All Aboutから声をかけられダイエットガイドを開始したのが翌2007年。いろいろなことが大きく変わる人生の岐路にガイドになったことに、運命的なものを感じている。
当初、浅尾さんはクッキング関係のガイドをやりたいと思っていたが、プロデューサーから「健康に絡めたダイエットはどうですか」と提案されて、ダイエットガイドを始めることとなった。

そのころ、「ヨーグルトダイエット」「パイナップルダイエット」など、栄養を考えない単品ダイエットが主流。栄養を考え、運動を取り入れることで結果的に体が無理なくすっきりしていくダイエットはまだそれほど一般的ではなかったが、浅尾さんの記事は、徐々に広く受け入れられていった。

「10年前と比べると、ダイエットという視点だけではなくて、正しい食事方法を知りたいとか、健康に痩せたいといった人がとても増えましたね。それはとてもいいことだと感じます」


栄養計算をするために、辞書のように日々使っている食品成分表


エプロンは必需品。ローラ・アシュレイなどの華やかな柄が好み

実現可能な提案を心がけ、否定的なことは言わない

実際に浅尾さんの記事を読んでみると、とても読んでいて気持ちがよい。なぜだろうか。
2つの理由があげられそうだ。

ひとつめは「正論を振りかざさないこと」。
「たとえば、『夜寝る前3時間は食べるのはやめましょう』とか『バランスよく栄養素をとりましょう』というのは、正論です。でも忙しく働いている現代人には、なかなか実現がむずかしいですよね。実現できなければ正論の価値も半減だと私は思うのです」と浅尾さん。

かつて会社員だったときの自身の経験からも、実現可能の提案をすることが大切だと感じている。

夜中にごはんを食べざるを得ない人には「夕方に間食として主食を食べては?」とか「深夜に食事をするならお風呂や明日の支度をする前に、まず食事をしては?」といった提案をする。本当に生活に密着した提案に、読んでいて「なるほど。それならできるかも」とうれしくなる。

もうひとつは「否定しないこと」。様々なダイエット方法を模索する人たちがいる。どんな方法が合うかはその人次第だ。

あらゆるダイエットの情報発信を栄養学的な観点から正しく伝えるのはもちろんだが「このダイエットは、こういう点が良くない」と否定的な言い方をすれば、すでにやっている人は必要以上に傷ついたり、反感を感じるだろう。だから「こういう点がいい、こういう人におすすめ」といった書き方をするように心がけている。
だから、浅尾さんの記事はやさしく、すっと読者の心に入ってくる。


「実現できなければ、どんな正論も無意味ですよね」

「甘いものが食べたいという日は、きっと食べていい日なんです♪」

浅尾さんのポリシーは「ほどほど。無理をしないこと」だ。ダイエットにしても「何かやってみた。ダメだったから全部やめた」となるとすぐに元通りになってしまう。「そうではなくて、なにかひとつ自分の中に『マイルール』を残せるといいですね」と浅尾さんは言う。

「チョコレート食べちゃった。もうだめだ。ついでにカツ丼もいっちゃえ」ではなくて
「チョコレート食べちゃった。じゃあ夜のご飯は、野菜多めにしようかな」。そんなゆるいマイルールで、自分の食欲をコントロールすることが大切なのだという。

「本来は自分の満腹度合いというのは、その人の必要なカロリーのところでちゃんと締め切られるはずなのに、いろいろな制限をし始めるとその満腹度合いがわからなくなってきます。そうならないことが大切」。

運動を取り入れたり規則正しい生活をすれば、精神衛生上安定する。直接的なカロリー消費につながらなくても、精神が安定することで過食をしなくなったり、必要以上に甘いものを食べなくても平気になるという。「無理なく、無駄なく、美しく」それが浅尾流だ。


一膳のご飯の重量、知っていますか?食事管理の基礎になるはかり(左)と、日々の食の記録をするのに役立つカメラ

あなたはあなたが食べたものでできている

コンビニもファストフードもたくさんある現代においては、きちんと食事を作って食べるのは、案外手間が掛かって面倒なこととなりつつある。けれども、その手間をかけないと将来の健康は手に入らない。だからこそ食にこだわりたいと感じている浅尾さんはYou are what you eat.(あなたはあなたが食べたものでできている)という言葉に共感するという。

「体重の増減よりも、健康であることがすなわち『美』につながることに、多くの人に気付いて欲しい。健康で、心身ともに元気でなければ、人にもやさしくなれないし、ましてや美しくもないのです」

浅尾さんは、自分の心身の健康のために食を大切にし、ていねいに生活をし、日々そのことを伝え続けている。


「今日は甘いものが食べたい!という日は、きっと食べていい日なんですよ」
文/宗像陽子 写真/平林直己
※本記事の内容は取材時点(2015年3月)の情報です。
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