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家事は奥深くて、面白い。誰にでもはまるポイントが必ずあるはず。 だから多面的な楽しさを伝えたい。【家事ガイド 毎田 祥子】

「家事ガイド」の毎田さんは、家事アドバイザーであり、ハウスクリーニングやハーバルセラピストの認定資格を持つという。家事ならなんでもお任せあれ、部屋にはチリひとつない完璧な「主婦の鑑」なのか?それとも「家事」は苦手だったのか?それなら、なぜ「家事」のスペシャリストになったのか?さまざまな疑問を解くべく、毎田さんのお宅へ伺った。

All About【家事ガイド 毎田 祥子】

毎田 祥子(まいだ しょうこ) 家事アドバイザー。生協等で家事や全国の生産者への取材を重ねた後、NPOハウスクリーニング協会や、JAMHAハーバルセラピスト、AEAJアロマアドバイザーの資格取得。著書『いつのまにか家事上手になるシステム家事のすすめ』、監修『おばあちゃんの歳時記暮らしの知恵』など。雑誌・新聞の監修・執筆などマスコミ出演多数。

主婦って何するの?専業主婦になってとまどう

笑顔で迎えてくれた毎田さんの家は、お子さんの絵や工作がそこかしこに飾られている居心地の良いお宅だった。

大学卒業後大手IT企業に就職し、秘書として働いた毎田さん。自宅通勤で、帰宅後は寝るだけという生活で家事も親任せだったとか。結婚後、専業主婦となったものの「はて?主婦って何をするんだろう?」ととまどいあわてて主婦向けの雑誌を読んだほど、家事とは無縁の存在だったという。
                      
「とりあえず食べないと生きていけませんから、料理の通信教育を受けたりしてね。まず学びから入るのは、ビジネスマンだったころの習性でしょうか」と終始にこやか。「収納セミナーなんて行っているうちにふと見回したら部屋が汚部屋になっていて……。ほっほっほ。セミナーに行っても部屋は片付かないことを学びました(笑)」
なるほど、毎田さんの記事が温かくて優しくて決して上から目線ではないのは、家事が苦手の人の気持ちがよくわかるからのようだ。


「家事の中では、今でも片付けはちょっぴり苦手なの」

家事の奥深さに目覚める

そうこうするうちに、ひょんなきっかけから生協の機関紙の編集を手伝うこととなる。これが、現在の毎田さんの「家事アドバイザー」としての土台となった。
仕事は、生協の商品を試したり、家事仕事について実験をしたり、専門家にインタビューをして記事を書くというもので、生産者や専門家への取材では全国を飛び回ることとなった。まだ子どもがおらずフットワークが軽かったため、毎田さんはかなり積極的に仕事にかかわることとなり「結果、また部屋が散らかりました(笑)」。
とはいえ、そのときに専門家の意見を聞いたり実験をしたりしたことで、ふつうの主婦ではなかなか得られない貴重な経験を積むことができ、とても知見が広がったと感じている。また、当時の編集長の「常に消費者の立場に立って考えなさい」というアドバイスは、今でも記事を書く上で重要な指針の一つだ。


手作りエッセンシャルオイルもお手の物。気軽に香りを楽しむ。アロマテラピーアドバイザーの資格もガイドを始めてから取得した

「失敗の数だけ、記事も増えました(笑)」

3年ほどでその仕事はやめたものの、せっかく生協で積み上げたノウハウをそのままにしてしまうのは惜しいと考え、自身でホームページを作り、日頃の家事の疑問や解決法をアップしていった。
「会社勤めをしていたときから、『疑問点があったら調べる。学ぶ。解決する』と叩き込まれてきましたから、それは身に染みていました。だから生協で得た知識に加えて日々、家事をしながら感じる疑問を、どんどん調べて解決しホームページにアップしていったんですよ」
加えて、秘書としてモノやスケジュールの管理をしていた毎田さんは「家事は特別な事ではない。段取り、ラベリング、情報共有、優先順位など、ビジネスと同じ部分もたくさんある」と感じていた。
専門家ではなく、素人の主婦が疑問を感じて、テクニックだけではなくビジネス的手法を用いながら解決していくホームページは次第に人気が出て、仕事の依頼も舞い込むようになった。

そんな中、オールアバウトのサイトを知る。「共働きの家事」というコンテンツで書くガイドの募集を知り、応募。その後家事ガイドとして活躍しているのは周知の事実だ。

少し前の世代までなら、主婦は日々の家事をこなす中で、たとえば「染み取り」ひとつとっても、部分洗いをする、つけおき洗いをするといった工夫を少しずつしていたのだろう。しかし電化製品の発達とともに、そのあたりの細かい作業は省く人も増えている。
「家事をきちんとしている人は、衣替えで、久々に出した服に染みがついていたり、黄ばんでいるなんてことはない。けれども多くの人はそうではない。自分自身そうでしたから、『どうしてそうなっちゃうんでしょうね』という気持ちで書いています」
なぜ、自分の洋服は黄ばんでしまうんだろう。なぜ、洗濯物がうまく乾かないのだろう。なぜにおいがついてしまって、とれないのだろう。失敗をするたびに、毎田さんは考え、調べる。記事を書く上で知識が足りないと感じれば勉強をして資格を取る。学んだことを思い出し、また考える。それを日々の家事の中で繰り返し試し、解決していくことで記事を積み重ねていった。


ズボンは裏返しにして筒状に。シャツは脇の下が上下さかさまにバンザイスタイルにして干すと、早く乾く


1万部突破した「魔法の朝だけ家事」(PHP)、初めての著書「いつの間にか家事上手になるシステム家事のすすめ」(家の光出版)、お母様が亡くなってから監修した「おばあちゃんの歳時記」(ピエブックス)

「All Aboutだから、続けることができた」

All Aboutガイドを始めて10年以上がたつが、その10年は毎田さんにとって順風満帆なものではなかった。
初めての子を妊娠3カ月のときに、実家のお母様が急死。「宅急便を送ったわ」という電話の翌日のことだった。そしてその後お父様も亡くなる。頼るものもない中での出産、そして育児。何も手につかない時期。そして、何かやっていなければ立ち直ることもできなかった時期。
「そんな時期につかず離れずゆるやかな距離を保ちつつ、見捨てずにいてくれたAll Aboutに感謝です」という毎田さんは「All Aboutでなければ、家事アドバイザーとしての活動は続かなかったかも」と感じている。
All Aboutとの付き合いもすでに10年を超え、担当プロデューサーとの付き合いも8年となり、二人三脚の息もぴったり合っているようだ。


「素人が疑問を解決していくスタイルって、当時は珍しかったんですね」

家事のどこに面白さを感じるかは人それぞれ

長いこと、家事についての記事を書き続けるということは、ネタがなくなったりしないのだろうか?伺うと「家事と言ってもさまざま。商品の多様性、進歩、広がり、奥行きの深さ、社会や環境の変化は尽きることはありませんね」ときっぱり。

「家事は面白い」と毎田さん。「面白いと思うポイントは人それぞれ」という。
「バリバリのビジネス脳の人から見れば、段取りがすごく大切なところが楽しいと感じるかもしれないし、技術力がないけど理屈が好きな人は科学的な部分で楽しいと思うかもしれない。あるいは、面倒な家事は嫌いという人は、ポイントを押さえれば快適な環境が実現することに喜びを感じるのでは。なるべく多面的な楽しみを伝えて、各々が自分に合った楽しみ方をチョイスしてもらえればいいなと思っています。そして、主婦だけではなく夫も子どもも楽しむことで、もっと家事は楽しく、個人の自立を促すものに変わっていくと思います」

毎田さん自身は、いろいろな家事のやり方を学ぶ中で「おばあちゃんの家事」や「日本の伝統的な家事」というものに関心を寄せてきた。お母様が当たり前のようにやっていた家事の知恵を知るにつけ、将来は日本的な家事のすばらしさを世界に向けて発信できればと感じている。


「絵で見て覚える 図解 包み方・たたみ方大事典」という本も監修。All Aboutでは身近のもののたたみ方の記事をアップしている
文/宗像陽子 写真/須藤明子
※本記事の内容は取材時点(2014年11月)の情報です。
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