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取得資格は300以上。「労力をかけない合格」を追求する、楽しむ学びのコンシェルジュ【資格ガイド 鈴木 秀明】

色白で華奢。それほど感情を表に出さないクールなイケメン。しかも東大卒のインテリ。その実態は、「資格のことなら何でも任せろ!」300越えの資格を持つ男。まさに「資格王子」の名がふさわしい鈴木秀明さんにお話を伺った。

All About【資格 ガイド 鈴木秀明】

鈴木 秀明(すずき ひであき) 「資格こそが私の生きる道だ!」と悟り、次々と雑多な資格を取得し、資格マニアへの道を歩み始める。2014年4月1日時点での取得資格数は267種345個。

大学時代にミイラ取りがミイラに。

皆さんは資格をどれほど持っているだろうか。運転免許に英検3級。教員免許に調理師免許。「生活や仕事に直結するから」「履歴書に少々色をつけたいから」。様々な理由で、資格・検定を受けるだろうが、せいぜい3,4個持っているのが平均的だろうか?10個も持っていると、「なんだかすごいね」という印象。

ところが「資格」ガイドの鈴木さんは、資格を2014年4月現在300以上も持ち、さらに年間40個から50個新たな資格を取り続けているという。

東京大学在学中に、当時所属していた東大生協学生委員会(サークル的なもの)が発行していた機関紙の資格コラムコーナーを担当。それが、そもそもこの道にはまったきっかけだ。

最初は、「さまざまな試験を受けに行き面白おかしく勉強法や受験体験談を書く」という企画を通し、冊子作り・メディア発信ができること自体を楽しんでいた。そのうち資格取得そのものにのめりこむようになってきた。大学・大学院在学中に、資格を約90個取得。さらに生協のツテで出版社から資格エッセイ本を出したり、某大手企業が発行するキャリア系メルマガで資格コラムを担当するなど、資格に関する仕事にどんどん関わるようになる。

2006年の大学院卒業・某人材系企業への就職と同時にAll Aboutにスカウトされ、「資格」ガイドとなる。2009年に人材系企業を退社、「資格の専門家」として独立してからもひたすら資格取得を目指す毎日だ。


東大時代に資格コラムコーナーを担当した機関紙は今でも大切にとってある。

幅広い資格のメリットとは

「とりあえず、仕事で必要なので取らなければならない」、「何も履歴書に書けるものがないので、資格でもとるか」そんな「でも・ねば・しか」思考だけではない、資格を取るメリットというのはいったいなんだろうか。

●法的な効果。医師・弁護士など、その資格がなければ職につけないというものがある。
●学びの楽しさ。新しいことを学ぶのはそれだけでも刺激的。主体的な学びの喜びがある。

このほかに鈴木さんは3つのメリットをあげてくれた。

●客観的な能力評価の指針。持っている資格が、その人の能力やスキルを雄弁に物語ってくれる。
●コミュニティ効果。同じ資格を持つもの同士知り合いになれたり、コミュニティに所属することで、質の高い人脈が得られる。
●精神衛生的な効果。その資格を取れたことで自分に自信が持てたり、安心感を得られたり、背中を後押ししてくれることもあるだろう。

「資格」を活かすのは自分次第

「ただし」と鈴木さんはくぎを刺す。「資格は取得すればいいというものではないんですよ」。「資格を取得さえすればあとは資格が何とかしてくれると思うのは間違い。なぜその資格を取得するのか。取得してからどうするのか。どう活かすのか。それはその人次第です。資格を取ったのに、全然仕事が来ないなどと文句を言う人がいますがそれは違うんですよ」ときっぱり。

豊かな人生はその人自身が作るもので、資格は彩りを添えるための手段にすぎないと鈴木さんは考えている。鈴木さん自身は多種多彩な資格を取得しながら、資格を取る人のための情報提供を惜しまず、サポートしている。


「自分はどうなりたいのか、何をやりたいのか、夢は何なのか。人生をしっかり考えてから資格をとれば後悔はないはず」

いかに労力少なく合格をするかがモットー

一般の人たちは「ある特定の資格を仕事に活かしたり、人生を豊かにするために活かす」のだが、鈴木さんの場合は「資格マニアであること自体を活かして仕事につなげている」。もはや鈴木さんにとって資格取得はそれ自体が目的。「年間最低でも30、できれば50取得」を念頭におき、せっせと資格を取り続ける。2013年は80試験を受け、47の資格取得に成功。

現在は執筆活動、会社経営、メディア出演と多忙な毎日の中、それでも資格を取り続ける原動力はなんだろうか。

取材した感触では鈴木さんにとって資格とは「大好きな趣味」であり、同時に「日常生活そのもの」という印象だった。まったく肩に力が入ることなく、毎日ご飯を食べるように、毎日ベッドで眠りにつくように、次は何の試験を受けるかをスケジュール調整し、参考書を購入し、試験に備えてサラリと勉強をする。ノートにまとめるでもなく、テキストにアンダーラインをひくでもなく、もちろん「必勝」の鉢巻もない。ただ淡々と本を読むのみ。自宅の机で読んだり、ベッドに寝転がって読んだり。ファミレスで読んだり、カフェで読んだり。

やたらとむずかしい試験に明らかに無謀な挑戦をすることも多いが、落ちたら落ちたで楽しめればそれでよし、また次への糧になればいいのだ。聞いたことのない、今までまったく接点のなかったようなジャンルの試験もまた楽し。どんな世界や人脈との新たな出会いがあるかわからない。

とにかくせっせと受けて、そこそこ合格する。ご本人はいい具合に力が抜けている印象だ。聞けばモットーは「いかに労力をかけないで合格をするか」ということだとか。その力の抜け具合が、継続の極意とみた。


物持ちもよく、あまり文房具にもこだわらない。

喜びも悲しみも、資格に始まり資格に終わる

鈴木さんにとって資格は「日常生活そのもの」であり、「趣味」であると書いたが、同時に「仕事」であり、「人生」であった。

鈴木さんにとって一番気持ちのいいこととは「合格点ギリギリで合格すること」。「だって、労力が最低限ですんだということですから」。逆に一番くやしいことは「合格点マイナス1点でギリギリ落ちること」だそうだ。そのような残念な経験も一度や二度どころではないらしい。

一番リラックスできるのは、自宅のベッドに寝転がって次の試験のための勉強をしているとき。不安なことを聞けば「毎週日曜はほぼ資格試験を受けているので、超たまたま試験の予定が入っていない週などは、逆に物足りないというか、なんとなく不安な気持ちになる」と笑う。

旅行や遊びに出かけても、資格のことばかり考えてしまうため、心からレジャーを楽しむことができないというから重症だ。そもそも週末はほとんど試験でつぶれるため、あまりそんな機会もないのだそうだが。ただし、「その地域に行かないと受けられないご当地検定などを受験するための旅行なら全然アリ」とのこと。

すべては「資格」に始まり「資格」に終わる。まさに「資格」王子の名に恥じないキャラっぷりなのだ。

仕事面では、資格試験を「受ける側」だけでなく「主催する側」との提携やプロジェクトも増えてきた。大手企業とコラボして、新たな「検定」を作る仕掛け人としての展開も今後視野に入れている。


難関検定から面白検定までその数は増え続けている。

楽しみながら合格を目指す

「一生懸命がんばって、ちゃんと真面目に勉強して受かるのはある意味当たり前。そこに面白味はあまりないですよね。逆に、ゲーム感覚や、遊びの要素も取り入れながらチャレンジするほうがポジティブな気持ちで挑めるし、いい意味で“力を抜く”ことでむしろ良い結果が出せることってよくある。がんばらなくても受かるやり方、そんな「省エネ」的コンセプトの方法論を追求したいんです」。あまりエネルギーを使わない淡々とした口調で王子は語るのだった。

日本で今資格と呼ばれるものの数は5000はくだらないとか。さらに年々様々な資格が増えているというから、鈴木さんにはまだまだ尽きることのない資格道を探求していただきたい。そして、迷える子羊たちに、もっともっと楽しんで受かる技を伝授し、豊かな人生を彩る後押しをしていってほしい。





気楽にゲーム感覚で試験にトライしてほしい。そんな気持ちで本を書く。
文/むなかたようこ 写真/平林直己
※本記事の内容は取材時点(2014年4月)の情報です。
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