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恋愛マスター?そんな人、世界中にひとりもいませんよ。 だから恋愛は深くておもしろい【恋愛ガイド 武田 尚子】

フルタイムで仕事をしながら「恋愛」コラムニストを目指し、オールアバウトのガイドとなった武田尚子さん。仕事とコラムニストの両立について、また「恋愛」ガイドとして伝えたいことは何だろうか。

All About【恋愛ガイド 武田 尚子】

武田 尚子(たけだ なおこ) 大学在学時代、コラム執筆。卒業後、某企業の総合職として勤務。都会で働く強くなりすぎた女子、早々にリタイヤした勝ち組女子、男子の本音など、東京のリアルな恋愛模様への知見を活かすべくコラムニストとしてデビュー。

実はバリバリのフルタイム勤務

2012年から、オールアバウトの「恋愛」ガイドとして執筆中の武田さん。普段は広告関係の会社に勤める会社員だ。
吉瀬美智子か真木よう子か、というほどの美人でありながら、意外にもすっぴんで通勤し「エステというよりマッサージ。アロマというよりカラオケ」というサバサバ系。美意識低めと自嘲するが、さりげなく身につけているヴァン クリーフ&アーペルのブレスレットが品のいいブラウスとよく似合っている。

もともと文章を書いたり漫画を描いたりするのが好きで、働きたくなかったほど。とはいえそうもいかず、大学を出てからアパレル会社に勤めたあと転職。現在勤めている会社では、終電近くまでいることもしばしばだ。
仕事大好き人間というわけではないが、仕事に対しては責任感を持って真摯に取り組んでいる。「よく言えば優等生。悪く言えば小心者なんです。きちんと準備をしないと心配なので」とにこやかに自らを分析する。

現在、武田さんの本業はフリーペーパーや雑誌の企画立案。購買者の興味は何かということに対して、常にアンテナを立ててきた。表面に表れていないが、実は潜在的に違う意識があるのではないかという目線で企画を考える。昔から物事の裏を読む癖は、今の企画立案という仕事に生かされていると感じている。それでも、本当にやりたいことはこれではない、という気持ちを抱えていた。

ヴァン クリーフ&アーペルのブレスレットと指輪は30歳になるとき自費で購入。「ほしいものを自分のお金で買うのが大人の女!」と半ば痩せ我慢で

人と関わるより、観察が好き

そんなとき、武田さんの書いたコラムがオールアバウトの編集者の目に留まり、原稿を依頼されるようになった。カテゴリーは自身が身の丈で書けると感じた「恋愛」。

コラムのネタは、自分の経験や人から見聞きしたこと、自分の周り半径2m以内から拾っていく。

カフェのとなりの席での別れ話。電車の中での無防備なLINEのやり取り。おじさんが操る携帯の中の、ハートの絵文字。結婚式のほんの1シーンでわかったこと。
その中で繰り返されるのは、絵に描いたような美男美女の美しい恋物語だけではない。

なぜ、こんなイケてない男が、上から目線になれるのか?
なぜ、容姿端麗で性格のいい女であっても幸せになれるとは限らないのか?
なぜ、女たちはカフェトークで見栄の張り合いをやめられないのか?
そして、その疑問は、他人ばかりに向けられているわけではない。武田さん自身にも向けられていく。

なぜ、自分は今、心がざわついたのだろう?
なぜ、素直に喜んであげられなかったのだろう?
なぜ、いわれもない不安に駆られているのだろう?

ごく普通の日常生活の中で繰り広げられる人間模様。そして、その中にアクのように浮かび上がるモヤモヤした疑問を、武田さんは丁寧にすくい取っていく。

「人はきらいではないんです。でも人と関わって意見を調整するよりは、観察している方が好きなんですね」。人間模様を観察しながら、スマホのメモ機能や手書きのメモに積み上げられる「なぜ?」の山。そして掘り下げ、突き詰める。こうしてコラムは出来上がっていく。

「変だよね?」「イケてる」。思ったことはすかさずメモ。インスピレーションが膨らむのは、方眼タイプのノートとパイロット社の水性ボールペン

好きなコラムを書くことで、本業にも前向きになった

本業が自らのライフワークとしては物足りなかった武田さんは、コラムを書くことでどう変化したのだろうか。副業を始めたいがなかなかスタートをきれない人へのメッセージはあるだろうか。

「それが自分の好きなことなら、どんどんやるべき」と武田さんはいう。武田さんは、多忙な毎日のなか、コラムを書くことで本業の仕事にもメリハリがついてきたと感じている。

決しておざなりに仕事をしているわけではなかった。けれども自分は今まで、仕事に対して受け身だったのではないか。会社にすがりつくあまり、失敗を恐れて積極的なチャレンジをしなかったり、上司の目が気になって小さくまとまっていたのではないか─。

「コラムを書き始めることで、何かが吹っ切れ、小さな一歩を踏み出せたように感じるんです。『これしかない』とすがりついていたものから少し距離をおくことができました」。

その結果、本業に対する気持ちは大きく変わったという。
今の本業は、いつまでやれるのかわからない。だからこそ、やれるだけやろう。後悔を残さないような働き方をしよう。上司の目や、周りの目を気にして小さく収まらず、今任されている仕事の中で本当にやりたいことをやろうという気持ちになったという。

「副業を始めることで、本業も楽しくなってきました。これからも自由にチャレンジしていきたいですね」

オールアバウトの恋愛コラムの最初のギャランティで購入したノートパソコン。コラムを書くときの自分が一番自分らしいと感じる

本当はこうなんじゃない?と耳元で囁いていきたい

今もこれからも、書きたいことは「よくある『男子攻略テクニック!』みたいなことではない」と武田さんは言う。恋愛はそんなに簡単なものではないし、万人に効く解決方法はない。

「恋愛マスターなんて、世界にひとりもいませんよ。だから恋愛はおもしろいし、むずかしいんです」。武田さんが目指していることは「こうすべし!」「これでばっちり解決!」といった、上から目線で人の心を動かそうとする恋愛コラムではなく、自らが悩み苦しみ疑問に思う等身大のコラムだ。

誰もが本当は思っているけど誰も言っていないことをスパッと言い、「あなた、自分では気づいていないけど、本当はこうじゃないの?」と耳元で囁く。そして、真実のボールをポーンと投げて、アラサー女子の心の中にソワソワとさざなみを立てていきたい。

「そのために、目の前の事象に『本当は違うんじゃないの?』『どうしてそう思うの?』『違うみたいに見えるけれど、本当は同じなんじゃないの?』と常に問える人間でありたいと思っているんです」。

さて、待ち遠しい今後のコラムのテーマはなんだろうか? 武田さんが最近気になるのは「若い女子」だとか。

「だって、キラキラしていてコミュニケーションスキルもレベルも高いでしょう?アラサー女子としては、その市場と戦っていかなければならないんですから、気になります。歳をとるということは、女の市場価値を下げるのみなのか?違うのか。市場価値が下がるとすれば、唯一の勝てる道はどこにあるんでしょう?」。

答えを求めて、武田さんの恋愛探求、人間観察は今日も続く。

「結婚はしたいですよ。一生に一度くらい結婚したいなと思うから。一生添い遂げるかどうかはわかりません。運命論者ですから」

武田流女子力アップのコツは、一点豪華主義。「ジュエリーと靴は、いいものを身につけたいですね」。取材日の靴はJimmy Chooで
文/むなかたようこ 写真/平林直己
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