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メンズコスメは化粧にあらず。自分を高めてくれる 快適なもの。すべての男性に「より魅力的になる」 ノウハウを伝えたい【メンズコスメガイド 藤村 岳】

キリっとしたお顔立ちとつやつやのお肌、語りかける言葉はゆっくり優しい。そんな外見は、「言うときは言う」芯の強さと細やかな気配りを見せるナイーブな内面を表しているかのよう。男性による男性のための「メンズコスメ」ガイド藤村さん。男でなければ書けない実体験に基づく記事が共感を呼ぶ。なぜメンズコスメを選び、何を目指しているのか。藤村さんに伺った。

All About【メンズコスメガイド 藤村 岳】

藤村 岳(ふじむら がく) 男性美容研究家・美容コンサルタント(オスカープロモーション所属)として活動。DANBIKEN~男性美容研究所~主宰 大学卒業後、植物関連の雑誌や書籍でハーブの知識を習得。その後、料理や食養法、健康などの生活情報誌に携わる。その後独立し、現在は男性美容研究家として活動。 シェービングを中心に男性の肌と健康について日々、研究している。「美しくなるよりも、嫌われない美容」が男性には必要とのモットーがあり、やりすぎない男性美容を提案。

メンズコスメの第1人者になる

一時代前の男性にとって「肌の手入れ」だの「保湿」だのといった世界はまったく無縁のものだったかもしれない。しかし今、男性であっても「肌の手入れに気を遣う」ことは珍しいことではない。
むしろ、手入れを怠り美容に対して無関心のままで「汗臭いのは男の勲章」とばかりに周囲に不快感を与えていたとしたら、それは自分で自分の地位を貶めていると言ってもいいほど。藤村さんは、美容に無関心な層に対して警鐘を鳴らす。

雑誌編集者をめざし植物関係の雑誌や料理・健康の生活情報誌、あるいは書籍編集に携わっていた藤村さんは、2004年ごろフリーランスへの道を探りつつ自分の専門を何にするかを決めかねていた。
最終的に「メンズコスメ」を専門にした理由は「独立するときに、どの分野で第一人者になるか、いえ、なれるかということを考えて」のことだと言う。

当時藤村さんは30歳を少し過ぎていた。
メンズ誌で書こうと決めていたものの、時計も靴も服も、優秀な先人がいっぱいいる。そういった先人たちに努力して追いつくことはできるかもしれない、しかし追い抜いて1位になることは非常にむずかしいだろうと藤村さんは考えた。

同じ2004年は、メンズコスメにとってひとつのエポックメーキングな年だった。
「都市部の男たちが、美容や身だしなみにお金をかけるようになった」という意味の「メトロセクシャル」。この言葉が最初に使われたのは1990年代だったが、2004年に日本でシセイドウメンラインがローンチ、一気にメンズコスメが脚光を浴びるようになる。
だが、男性でメンズコスメについて記事を書く人はおらず、書くのはほとんど女性だった。当然のことながら記事を読むと、心理を考えればこんなことを男はしないんだよねと思うところが目につく。
「今手をあげれば男性が書く男性美容の一人者になれる」と、自ら未開拓分野に飛び込むことを決意、シェービングを中心に男性の肌と美容について専門を深めていく。


「メトロセクシャルという言葉が出て、『見た目も大切な自己プロデュースのひとつ』と言われるようになりました」

目標を掲げて、一歩一歩クリアしていく

飛び込むと書いたが、藤村さんは無鉄砲な性格ではない。
「無駄は嫌いです。けれども効率よく進むために事前にじっくりと考えるのは嫌いではないんです」

まずは目標を立てた。35歳までにメンズコスメの連載を持てるようになろう。もし、3年たってもできないようなら、きっぱりこの道はあきらめよう。そして40歳までに商品をプロデュースしようと考え着実に実行に移していく。

実績もなければ、大きな組織の後ろ盾があるわけでもない自分が、メンズコスメの専門家としてやっていくにはどうすればいいか。知名度を上げるにはどうしたらいいのか。

それを考えて、コスメ雑誌や化粧品会社に売り込みを開始。雑誌社であれば、雑誌に合わせ、DTPで完璧に仕上げるところまで記事を作りこみ、持っていく。並行してメーカーとの顔つなぎをしていく。

地道な努力が実って、35歳で連載を持ち、40歳でメンズコスメの商品プロデュースと、目標をクリア。

現在はファッション誌やAll Aboutでの連載のほか、ラジオやテレビの出演、スキンケアに迷う男性のためのカウンセリングや講演、イベントなどを行う男性美容家として活躍している。


2014年春。藤村さんが監修者として企画をした「ライジングウェーブ ヴィラ」を発表


雑誌とタイアップし、企画から数カ月かけてできた藤村さんプロデュースのグロッシーボックス


グロッシーボックスは2800円。13種類のブランド品の詰め合わせは、ぎっしりと箱に入りきらないほど。すべてのブランド品に藤村さんのコメントが入った


特定のコスメにこだわることなく、幅広く実際に試す。それがより深い記事を作ると考えるからだ

目標をかなえるため、心がけた二つのこと

今ある自分になるために、心がけたことを二つ伺った。

一つ目は「経験したことしか書かない」というこだわり。

「女性が髭剃りの記事を書いても男性の心を打つ記事は書けないはずですよね。それは机上の空論に過ぎないから。ならば、自分は経験に基づく記事だけを書いて、人の心に刺さるものを書こうと思いました」

もうひとつは「小さな目標をたて続けること」。「自分は弱い人間だから、すぐ低きに流れてダラダラしてしまうんですよ」とニコリ。

「だから、常に、少し手を伸ばせば届くような小さな目標をたてるように心掛けています」。すると、知らず知らずのうちに常に努力をするようになる。小さな成功体験を積み重ねるのが性に合っているという藤村さん、いつの間にか当初の目標を達成していた。

All Aboutで知名度を上げる

少し話を前に戻そう。

ある程度、シェービングを中心としたメンズコスメ理論を確立してきたころ、ネットで定期的に記事を出したいと考えAll Aboutガイドとなったのが2008年のこと。

もともと編集者になりたくて入った雑誌業界ではあったが、雑誌の限界を感じてもいた。また、フリーとなって一人で奮闘しながら、なかなか知名度が上がらないという焦りもあったかもしれない。

しかし、All Aboutガイドになると、すぐに検索で上位に上がるようになった。All About経由で仕事も来るようになり、ウェブの力を身に染みて感じたという。

どの情報が正しいのかわからないという玉石混交のネットの世界の中で、All Aboutの信頼感は際立っていた。
「今、会社としてAll Aboutは様々なチャレンジを続けていますが、自分たちガイドの役割は、変わることなくコンテンツ面をしっかりと補完していくことなのかなと思っています」と語る。



「ガイドをやったことで、圧倒的に知名度があがりました」

外見を整えることは、内面に向き合うこと

さて、藤村さんは、All Aboutの記事を通して何を伝えたいのだろうか。
「年代や意識の差によりますが」と前置きをしたうえで語ってくれた。
スキンケアをまったくやったことのない人に対しては、スキンケアというのは化粧とは違い、自分を高めることであり、気持ちのいいことなのだということを気づいてほしい。
すでにスキンケアの知識がある人には最新の情報を適切に伝えたい。
また、トラブルを抱えている人には、そのトラブルをしっかり認識できる手伝いをできればいいと考えている。

「スキンケアをするということは外見を整えることですが、実は自分の内側を見ることにもつながっているんです」と藤村さんは言う。
「外見をおろそかにするということは、自分なんてどうでもいいと思っているということの表れ。そうなると人生はつまらないということに気付いてほしい」とも。

最後に藤村さんの今後について伺った。
「社会全体のメンズコスメに対する意識をもっと高めること。そのためには自身の後継者をつくることが不可欠だと感じています。一人でできることは限られていますから、後継者にノウハウを伝えて、意識を持つ層のすそ野を広げたいですね」

もっと楽しく、もっと気持ちよく、みんなが「これっていいことだね」と納得できるにはどうしたらいいのか。どこにヒントがあるのか。藤村さんは様々なアプローチをしながら、じっくりと考え続けている。


「肌のSOSは、体のSOSであり、心のSOSでもあるんです」。そこに気づけない人は部下のみならず、家族や周りの人々の発する微かなSOSにも気づけないと指摘する

社会のメンズコスメに対する意識をもっと高めるために

最後に藤村さんの今後について伺った。

「社会全体のメンズコスメに対する意識をもっと高めること。そのためには自身の後継者をつくることが不可欠だと感じています。一人でできることは限られていますから、後継者にノウハウを伝えて、意識を持つ層のすそ野を広げたいですね」

もっと楽しく、もっと気持ちよく、みんなが「これっていいことだね」と納得できるにはどうしたらいいのか。どこにヒントがあるのか。藤村さんは様々なアプローチをしながら、じっくりと考え続けている。
文/宗像陽子 写真/平林直己
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