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紹介するのは、使い込んだグッズだけ。男のこだわりグッズにおける納富流のこだわりとは【男のこだわりグッズガイド 納富 廉邦】

巷にグッズの紹介記事はあまたあれど、納富さんのガイド記事のように詳しい説明を読むことができるものは少ない。しかも納富さんが紹介するグッズは、ただカッコいいだけでも、便利なだけでもない。どこにも載っていないグッズの情報を発信し続ける納富さんの原点を探る。

All About【男のこだわりグッズガイド 納富 廉邦】

納富 廉邦(のうとみ やすくに) 「おとなのOFF」「日経トレンディ」「GQ Japan」「GetNavi」「Real Design」などの雑誌をはじめ、書籍、ネットなど、さまざまな媒体で、文具などのグッズ選びや、いまおすすめのモノについて執筆。グッズの使いこなしや新しい視点でのモノの遊び方、選び方をお伝えします。

ライターになったのは、生きるのが楽になるかなと思ったから

「小さなころから、変わった趣味だとまわりから言われていたんです」

学生時代からコピーライティングの仕事を始め、そのままフリーライターとして現在に至っている納富さん。ライターとなった理由を聞くと、そう言って少し笑った。

「たとえば、僕が好きな女の子の名前を言うと、みんなが“えーっ”って引いたり(笑)。好きな音楽もそう。自分の価値観が世間と違う。生きづらい世の中だなと(笑)。でも、ライターになれば文章を書くときに自分の価値観をわからないように埋め込むことができる。そうすればサブリミナル効果じゃないけど、自分の思っていることが世間の常識になって、生きるのがすごく楽になるかなと思ったんです(笑)」

パソコンなどマルチメディア系を中心に、雑誌記事や書籍の執筆活動をするなか、知人から“All About のガイド”という仕事の存在を知り、さらに執筆の場を広げることになる。

「クライアントから依頼されて書くのではなく、自分から積極的に書くという場を作るのも面白いと思った」と、納富さんはガイドになったきっかけを振り返る。もともと文房具や雑貨などが好きだったこともあり、当時募集していた「男のステーショナリー」のガイドに応募。そして、「男のこだわりグッズのガイド」を2004年から開始した。



初めてのガイド記事で登場した「Lumatec UltraLife Reading Light」。ライトの角度が変えられることで、誌面を隅々まで明るく照らしてくれる。現在ではメーカーが倒産したため販売されていない

All Aboutなら、ひとつのグッズをじっくりと説明できる

ガイドになった理由はもうひとつある、と納富さんは話す。
「通常、雑誌にあるグッズの紹介というのは短い文章と写真が1点くらい。内容もプレスリリースのまとめというのがほとんどです。そうではなくて、自分でグッズを使い込んだうえで、使い方やグッズに詰まっている工夫などを、長所や短所も含めて丁寧に説明したいと思ったんです。雑誌記事と違い、All Aboutの記事なら文字数も写真の数も気にせずに、書きたいことを書くことができる。今までにないグッズの情報を発信できると思いました」

ひとつのグッズについてじっくりと説明したい――そう思う原動力となったグッズがあるという。それは、中国茶の専門店『海風號』(東京東麻布)でプロデュースした「漢瓦壺」という中国茶の急須だ。
一見、なんてことはない小さな急須だが、納富さんの説明を聞くにつれ、中国茶を美味しく淹れられる工夫が詰まっていることに感嘆させられる。

「当時、公開していた中国茶のブログで、この「漢瓦壺」の特長や使い方を『海風號』の協力を得ながら、詳しく紹介したんです。そうしたら、すごく評判がよくて。自分が書かなければわからないグッズの良さもあるんじゃないかと思ったんです」

詳しく書かなければ、その素晴らしさが伝わらない逸品もある。初めてのガイド記事では、当時、就寝前の読書で納富さんが愛用していたブックライトを紹介。どう使うのか、実際に使ってみてどうだったのかなど、今までどこにも載っていなかった情報を書いた。こうして書き上げたガイド記事は今や300以上にものぼる。

大人の男向きの茶器、と納富さんが称する「漢瓦壺」。シンプルなデザインの中に、美しさと機能性をもつ。ガイド記事でも紹介された(http://allabout.co.jp/gm/gc/196928/)。

仕事で欠かせない「Livescribe wifiスマートペン」

ガイド記事で紹介されたグッズのすべては、納富さんが実際に使用してみて、ずっと使い続けたいと思ったグッズだ。まさに「男のこだわりグッズ」は、納富さんの“好きなモノ”であり、価値観そのものといえるかもしれない。中でも、最近のお気に入りのグッズは何か聞いてみた。

「バード電子という産業用電子部品メーカーがあるんですが、ここがつくる雑貨はどれも面白い。例えば、錆をプリントしたiPhoneケースとか(笑)。最近では、黒革鉄製の蚊取り線香ケースがお気に入りで、やけにカッコいいんですよ。私は蚊取り線香としてではなく、小物入れに使っています(笑)」

また、納富さんが仕事で欠かせないと話すのが「Livescribe wifiスマートペン」というデジタルペンだ。
「ノートに書いた文字がそのままデジタルデータになるというペンは前からありました。でも、このデジタルペンは、専用のノートに書いた文字は、自動的にデジタルデータ化されてインターネット上に保存されるんです。さらに、録音機能があって録音データも同時にペンの中とネットに保存されます。そして、文章の部分にペンをあてると、その記述をしていたときに話していたことが再生されるので、取材記事を書く時など、とても便利なんです」

このデジタルペンを使い始めてから、もう一度聞きたい箇所を音声ファイルから探す手間がなくなり、取材記事を書くスピードが格段に上がったという。
「このペンの良さはライターや記者にしかわからないかもしれません(笑)。議事録など、音声から文章をまとめる仕事には便利だと思います」

すべてバード電子の製品。iPhoneケース(手前)と黒革鉄製の蚊取り線香ケース。

欠かせない仕事ツールとなった「Livescribe wifiスマートペン」。もっと書きやすく使いやすい専用ノートを企画中だとか。

愛用の“こだわらないグッズ”

納富さんの愛用しているモノの中には、“男のこだわりグッズ”とはいえない“ちょっと残念!”なモノもあると話す。
「例えば、ローターを回すだけでセロハンテープが38mm長にカットされた状態でスタンバイされるというセロハンテープのディスペンサー。すごく便利なのですが、ローターを回す時の音がうるさいのとデザインがどうしようもない(笑)」

こうしたグッズを集めて、「男のこだわらないグッズ特集」というガイド記事を公開したところ、多くのアクセス数があったという。
「みんなも、そういう完成度が低いけど魅力的というグッズが好きなんだなあと思って(笑)。男のこだわらないグッズ、第2弾もやりたいですね」
そう話す納富さんの笑顔には、遊び心とグッズに対する愛情が込められているようだ。

仲間とバンドをやっているという納富さん。手ではギターの練習をし、目ではパソコンを見ながら、文章を考えていることもあるという。。
文/藤原ゆみ 写真/金田邦男
※本記事の内容は取材時点(2013年10月)の情報です。
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