ギャンブル漫画から学んだ、人生の本質
社員が大切にしている言葉を紹介する連載企画「Quotes」。第13回に登場していただくのは、メディアアライアンス部の早見 さん。“非連続な成長”が求められるミッションに挑み続ける早見さんが何度も自分に問いかける、ある漫画のセリフが今回のQuotesです。
■子供時代のメディア環境
わたしには年上の兄妹(6~7歳離れている)がいます。自分が小学校くらいの年齢だと、兄妹は中学生、下手したら高校生なので、家で見るテレビ番組の決定権は当然なく、当時深夜帯でやっていた『夢で逢えたら』(懐かしー!)だったり、『ビバリーヒルズ高校白書』(友近となだぎじゃないよ)など、歳不相応なものをよく見ていた記憶があります。とは言え、自分自身も、楽しんで見ていたんですけどね。
そんな歳不相応のメディア環境は、番組だけでなく、漫画にも当てはまります。私が中学校入学前後くらいのことでしょうか。兄が、『銀と金』という漫画を持って帰ってきました。『銀と金』は、『カイジ』で有名な福本伸行先生の作品で、福本先生と言えば、『アカギ』や『天』といった麻雀漫画をはじめとする、主にギャンブルに関する作品を多数生み出している漫画家です。
兄の当時の趣味が麻雀だったので、『アカギ』、『天』はすでに家に置いてありましたが、麻雀に興味がなかった私は一巻だけ読んでおしまい、のパターンが多かったのです。しかし、『銀と金』には中学生ながら、どハマりしてしまいました。少し『銀と金』の概要を説明します。森田という素寒貧の青年が主人公で、
そんな歳不相応のメディア環境は、番組だけでなく、漫画にも当てはまります。私が中学校入学前後くらいのことでしょうか。兄が、『銀と金』という漫画を持って帰ってきました。『銀と金』は、『カイジ』で有名な福本伸行先生の作品で、福本先生と言えば、『アカギ』や『天』といった麻雀漫画をはじめとする、主にギャンブルに関する作品を多数生み出している漫画家です。
兄の当時の趣味が麻雀だったので、『アカギ』、『天』はすでに家に置いてありましたが、麻雀に興味がなかった私は一巻だけ読んでおしまい、のパターンが多かったのです。しかし、『銀と金』には中学生ながら、どハマりしてしまいました。少し『銀と金』の概要を説明します。森田という素寒貧の青年が主人公で、
裏社会を生きる男達の、株の仕手戦や政治家との裏取引などの駆け引き、殺人鬼や復讐に身を委ねた男と命を懸けた死闘、さらに福本得意のギャンブル勝負を描いた作品
となっています。
ギャンブル勝負を描いた作品なので、麻雀のエピソードも出てくるのですが、基本的には人間の本質を丸裸にするようなエピソードが中心。麻雀に無知な私でも、しかも中学生の私でも、一気に引き込まれる漫画です。そんな『銀と金』のエピソードに出てくるこの言葉がずっと頭にあり、今回のQuoteとしてご紹介したいと思います。
銀と金│福本伸行
裏社会で頭脳と心理戦を駆使して巨万の富を得ていく男達の活躍を描いた賭博コミック。競馬でスッカラカンになってしまった森田鉄雄(もりた・てつお)は、平井銀二(ひらい・ぎんじ)に声をかけられ、日当10万円の仕事を持ちかけられる。そして翌日、みかん箱10箱を運んだ森田は、その箱の中には不正融資で得た10億円が入っていると平井から知らされて……!?「カイジ」「アカギ」と並び称される福本伸行の代表作の一つ。
■身銭きれるのか?やる気あんのか?
主人公・森田とお坊ちゃん育ちの西条が高額なレートで賭け合うシーンが手に汗握るポーカー編。両者資金の底が尽きかける中で、仲間から森田の資金はないから、もっと賭ければ勝てる、という他人事のような発言を受けて、西条が返した言葉です。
「うんざりだっ……! こう思うああ思う……今はそんな話をしてんじゃねえ」
「身銭きれるのか? やる気あんのか……? オレと森田は今……そういう闘いしてんだよ……!」
中学生当時は、必死なお坊ちゃんの返しとしてしか受け止めていませんでしたが、社会人経験を積めば積むほど、この言葉の重みや切れ味を感じるようになりました。
「うんざりだっ……! こう思うああ思う……今はそんな話をしてんじゃねえ」
「身銭きれるのか? やる気あんのか……? オレと森田は今……そういう闘いしてんだよ……!」
中学生当時は、必死なお坊ちゃんの返しとしてしか受け止めていませんでしたが、社会人経験を積めば積むほど、この言葉の重みや切れ味を感じるようになりました。
■この言葉の意味
この言葉を自分なりに翻訳すると、主体者としてリスクを取っていくことが重要、になるのかなと思います。折しも、最近『身銭をきれ』というタイトルの本も出版されていて、その内容も一言でいうと、リスクを取れ(=評論家になるな)と解釈していますが、この一言だけ見ると、まぁ手垢ベタベタで、意識高い系ビジネスメディアが大好物そうな言葉です(笑)
身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質 | ナシーム・ニコラス・タレブ, 望月 衛, 千葉 敏生
魂を捧げた先にしか、価値ある「生」はない。不確実で予測不可能な世界で私たちがとるべき「生き方」とは―『ブラック・スワン』『反脆弱性』のタレブが、思索の果てにたどり着いた原理原則を明かす。
けれど、『銀と金』が連載されていたのは、1992年~1996年の平成初期。それから失われた30年が過ぎようとしている現代でも、依然として同じようなことが言われているということは、やはりリスクをとるのは本質的なことであり、かつなかなか実践することが難しいことなのだと思います。
オールアバウトグループをはじめ、私が所属するメディアアライアンス部は、非連続な成長が求められ、それを実現するには、少なからずリスクを取ることが求められる環境だと思います。そんな中で、「自分は身銭を切っているか?」と問い続けることで、グループ全体、部全体、そして自分の人生に非連続の成長をもたらしていければと思っています。
ちなみに、身銭がどうこう言っていた西条。フタを開けると、彼のポーカー資金は親からくすねてきた金で(しかも10億!)、身銭は全く切っていません(笑)さらに、それを親にバレないようにするために、今度は高額レートの賭け麻雀にのめり込み、巨額の借金を背負ってしまいます。そして、最後は親に肩代わりしてもらうはめに。
身銭切れるのか?と息巻いてたわりに、親にケツを拭いてもらうという何ともカッコ悪いオチですが、勝負に勝っていれば、リスクテイカーとして称賛されていただろうと考えると、リスクを取るからには何が何でも勝たなければいけないなぁ、と思います。
オールアバウトグループをはじめ、私が所属するメディアアライアンス部は、非連続な成長が求められ、それを実現するには、少なからずリスクを取ることが求められる環境だと思います。そんな中で、「自分は身銭を切っているか?」と問い続けることで、グループ全体、部全体、そして自分の人生に非連続の成長をもたらしていければと思っています。
ちなみに、身銭がどうこう言っていた西条。フタを開けると、彼のポーカー資金は親からくすねてきた金で(しかも10億!)、身銭は全く切っていません(笑)さらに、それを親にバレないようにするために、今度は高額レートの賭け麻雀にのめり込み、巨額の借金を背負ってしまいます。そして、最後は親に肩代わりしてもらうはめに。
身銭切れるのか?と息巻いてたわりに、親にケツを拭いてもらうという何ともカッコ悪いオチですが、勝負に勝っていれば、リスクテイカーとして称賛されていただろうと考えると、リスクを取るからには何が何でも勝たなければいけないなぁ、と思います。
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