先輩が教えてくれた、仕事力を上げるための大切な土台

「まずは人の話を最後まで聞け」

「もし自分が知っていると思った内容だとしても、最後まで話を聞いて本当にその理解で合っているのか確認しろ。間違えていることも全然あるからな」

消防士として現場配属されて間もないある日、新卒1年目の育成目的で救急出動した際の模擬訓練を行っていました。

その訓練中に当時救急隊長をしていた上司から「あの場面ではこういった活動をした方が良い」等、活動に対するフィードバックを受けていました。フィードバックを受けていると偶然自分が研修で学んだ内容と同じ説明を上司がしており、思わず「〇〇ってことですよね」と先に答えを話してしまっていました。勉強していることをアピールして少しでも認めてもらいたいという気持ちも少なからずありましたが、結果“新卒1年目のペーペーが上司の話の腰を折る”という状況になっていたわけです。

訓練後、その様子を見ていた先輩に呼ばれて冒頭の「人の話を最後まで聞け」ということを言われました。

これを言われたときに「このままだとやばい」と感じたのを覚えています。なぜなら、まだ現場経験も少ない新人が経験豊富な先輩の意見を聞かず狭い視野の中だけで考えていると知識が深まっていかず、自分の成長機会を自分で奪うことになると思ったからです。

この出来事があってから「もっと素直に人の話に耳を傾けて行動するべきだ」と思い直し、相手の話を最後まで聞いた上で自分の意見を述べるようになりました。すると案の定、自分の理解が誤っていることが多々あることがわかりました。また、話を最後まで聞いていると先輩からもらえるアドバイスも増えたように感じました。

それに話を遮られて嬉しい人はいません。仮に人の話を最後まで聞かないまま仕事を進めていると、大きなミスに繋がったり近い将来フィードバックをもらえないヤツになっていたかもしれません。そう考えるとゾッとしますが、社会人になって早い段階で気づけてよかったと思っています。

後日先輩と半期振り返り面談をしている中で、以前の出来事も踏まえこう言われました。

（ここでようやくタイトル回収です）

これは「人間関係だけ大切にしろ」という意味ではありません。スキル面を高めるのはもちろん大事だけど、結局は一緒に働く人との信頼関係やコミュニケーションの上に仕事は成り立っている。「土台となるコミュニケーションをしっかり取った上で、スキルを駆使して活躍できる人になれ」という意味だと僕は解釈しました。

エンジニアは誰かの「こうしたい、こうだったら良いな」を"なんとかして実現するための仕事"だと思っています。そのためにスキルは当たり前に必要で、さらに何を実現したいかの意図を汲み取り、コミュニケーションを取ることが必要です。

これからも今日紹介した言葉を自分の真ん中に置いて、スキルと人間力を磨き続けられる人であるよう努めていきたいと思います。