プロの声優さんが教えてくれた、心を落ち着かせる方法
社員が大切にしている言葉を紹介する連載企画「Quotes」。第45回はメディアビジネス部 メディアプロデュースグループ 高橋さん。物事が思うように進まずつらくなったときに思い出す、声のプロフェッショナルの教えを紹介します。
2021年、私は声優養成所で学んでいました。高校生の頃から抱いていた演じることへの興味が、コロナ禍を経て爆発。役者の勉強をしてみたい、特に「見たことも行ったこともない世界のキャラクター」を「声だけ」で演じるという難関に、自分の体で立ち向かってみたい……そんな気持ちのまま、勢いで一般企業を退職して養成所に飛び込みました。
ところがいざはじまってみると、講義は完全オンライン形式。演技のノウハウを教わることはなく、自分の思うものを講師に見せてはダメ出しをもらうというスタイルで、イメージしていたものとは随分違いました。それ自体は特に問題ではなかったのですが、私にとって結構苦しかったのが「役の気持ちがわからない」こと。役者は演じるキャラがそのセリフを発する理由や、姿勢、表情、性格などを台本から想像し、自分流の表現でアウトプットしなければなりません。が、どうしても共感できないキャラを演じなければならないときは、やっと想像が膨らんできたと思ったらまたすぐに途切れる、といった調子の繰り返しでした。落ち込んだり焦ったり、くじけそうになる自分に腹が立ったりと、頭の中がぐちゃぐちゃになることもしばしばありました。
そんなとき、通常の講義とは別に開かれた「特別講義」で、バラエティ番組を中心に活躍中のナレーター・Sさんのお話を聞く機会がありました。声の仕事をはじめたきっかけや、プロになるまでの道のりについて話を聞かせてもらう中、特に印象的だったのが
ところがいざはじまってみると、講義は完全オンライン形式。演技のノウハウを教わることはなく、自分の思うものを講師に見せてはダメ出しをもらうというスタイルで、イメージしていたものとは随分違いました。それ自体は特に問題ではなかったのですが、私にとって結構苦しかったのが「役の気持ちがわからない」こと。役者は演じるキャラがそのセリフを発する理由や、姿勢、表情、性格などを台本から想像し、自分流の表現でアウトプットしなければなりません。が、どうしても共感できないキャラを演じなければならないときは、やっと想像が膨らんできたと思ったらまたすぐに途切れる、といった調子の繰り返しでした。落ち込んだり焦ったり、くじけそうになる自分に腹が立ったりと、頭の中がぐちゃぐちゃになることもしばしばありました。
そんなとき、通常の講義とは別に開かれた「特別講義」で、バラエティ番組を中心に活躍中のナレーター・Sさんのお話を聞く機会がありました。声の仕事をはじめたきっかけや、プロになるまでの道のりについて話を聞かせてもらう中、特に印象的だったのが
自分の機嫌は自分でとる
という言葉です。
「収録現場に早朝3時頃に入らなければならなくても、性格の合わない人と仕事をしなければならなくても、前日につらいことがあった場合でも、“自分の機嫌を自分でとる”ことが大事なの。それが自分のパフォーマンスにも、現場の雰囲気にも影響を与えるからね。」
そう話してくれたとき、Sさんの声が持つ力強さや、聞く人をワクワクさせてくれる明るさの理由がわかった気がしました。
以来、思うように物事が進まなくてつらかったり、失敗ばかりでイライラしたりするときこそこの言葉を思い出し、自分の機嫌をとる時間を持つように意識しています。まずは甘いものを食べる(和菓子がガツンと甘くて◎)。それでもダメなら歌いながら踊る(星野源さんの曲がお気に入り)。やっぱりダメなら外へでかける(なるべく遠くへ)。今のところこんな感じですが、いろいろ試していくうちに“私はこんなことで簡単に機嫌が良くなるんだな”と発見するのも、意外と面白いものです。
今は声の仕事とは離れた分野で働いていますが、Sさんの言葉はこれからも大切にしたいプロの教えです。
「収録現場に早朝3時頃に入らなければならなくても、性格の合わない人と仕事をしなければならなくても、前日につらいことがあった場合でも、“自分の機嫌を自分でとる”ことが大事なの。それが自分のパフォーマンスにも、現場の雰囲気にも影響を与えるからね。」
そう話してくれたとき、Sさんの声が持つ力強さや、聞く人をワクワクさせてくれる明るさの理由がわかった気がしました。
以来、思うように物事が進まなくてつらかったり、失敗ばかりでイライラしたりするときこそこの言葉を思い出し、自分の機嫌をとる時間を持つように意識しています。まずは甘いものを食べる(和菓子がガツンと甘くて◎)。それでもダメなら歌いながら踊る(星野源さんの曲がお気に入り)。やっぱりダメなら外へでかける(なるべく遠くへ)。今のところこんな感じですが、いろいろ試していくうちに“私はこんなことで簡単に機嫌が良くなるんだな”と発見するのも、意外と面白いものです。
今は声の仕事とは離れた分野で働いていますが、Sさんの言葉はこれからも大切にしたいプロの教えです。
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