考えすぎて前に進めない時に思い出す父の言葉
社員が大切にしている言葉を紹介する連載企画「Quotes」。今回は、経営管理部 人事総務グループの柴原さん。自身と性格が真逆で、理解しがたかった父親の価値観に触れた瞬間を紹介します。
About All About編集部チームからQuotesの執筆依頼をいただき、『今の自分に影響している言葉』でいろいろと考えて、昔、父に言われた言葉を思い出しました。
失敗してもなんとかなるからええねん。
父は個人事業主で、独立してからいろいろ苦労があったそうです。言葉には少しいい加減さを感じますが、謎の説得感があり非常に記憶に残っています。
■めちゃくちゃ考え込む自分と、思いついたらやってしまう父
私は幼い頃から決め事や人間関係など、全ての物事にとても考え込んでしまう性格でした。新しいことをやる時も「失敗したらどうしよう……」 とか、友達と話す時も「(言うべきだけど)これ言ったら空気わるくなるんやろなぁ……」 など考え込むとキリがないタイプでした。
その反面、父は思い立ったらすぐに実行するタイプ(熟考した上での選択だと信じたいですが……)。会社員から独立した時も唐突に会社を辞めてきたと母から聞きましたし、普段の生活でも自分のやりたいようにやっているように見えていたので、幼い頃からつくづく自分とは真逆の人間なんだと思っていました。
そんな父の価値観に納得できたのが、私が高校生の時でした。
その反面、父は思い立ったらすぐに実行するタイプ(熟考した上での選択だと信じたいですが……)。会社員から独立した時も唐突に会社を辞めてきたと母から聞きましたし、普段の生活でも自分のやりたいようにやっているように見えていたので、幼い頃からつくづく自分とは真逆の人間なんだと思っていました。
そんな父の価値観に納得できたのが、私が高校生の時でした。
■卓球場が家の隣にできた
高校2年生の夏、部活から帰ってきたら家の隣に謎のコンテナが置いてありました。何かと思い、父に聞くと「レンタルする卓球場やるねん」と一言。世間知らずな高校生の私でも思いました「何言うとんねん、この人!?」と。
ちなみに、父の本業は卓球とは全く関係ありません。また、卓球の経験も高校生まででそれ以来はやっていません。
「儲かるんか、これ? 失敗したらどうするつもりなんやろ……」と私は思いました。父の挑戦への不信感と、幼い頃から思っていたフットワークが軽すぎる父へのモヤモヤから、「これ儲かるん? 失敗したらヤバいんじゃないん?」と父に聞いてしまいました。
すると冒頭で紹介した父の回答が
「儲かるんか、これ? 失敗したらどうするつもりなんやろ……」と私は思いました。父の挑戦への不信感と、幼い頃から思っていたフットワークが軽すぎる父へのモヤモヤから、「これ儲かるん? 失敗したらヤバいんじゃないん?」と父に聞いてしまいました。
すると冒頭で紹介した父の回答が
失敗してもなんとかなるからええねん。
当時の私はハッとしました。なぜかは分かりませんでしたが「確かに」と思ったのと、逆に自分が今までとても小さいことで考え込んでいたのが馬鹿らしくなりました。
この歳になって、実家に帰ると父とお酒を呑むことがあるのですが、本業の収入が芳しくない時に夜間の工場で働いた話や、事業の資金を工面するためにいろいろな人に頭を下げた話を聞いて、困難を乗り越えた父が言うからこそ、当時の妙な説得感があったのだと納得できました。
この言葉を聞いて以来、私の中で考えるハードルが少し下がった気がしています。以前までは、考え込んで立ち止まってしまうようなことでも、「まぁ、何とかなるやろ」と少し前向きに考えられるようになりました。
私に卓球場を作る勇気はありませんが、何か考え込んで立ち止まってしまった時は、父の言葉を思い出して前に進んでいきたいと思います。
この歳になって、実家に帰ると父とお酒を呑むことがあるのですが、本業の収入が芳しくない時に夜間の工場で働いた話や、事業の資金を工面するためにいろいろな人に頭を下げた話を聞いて、困難を乗り越えた父が言うからこそ、当時の妙な説得感があったのだと納得できました。
この言葉を聞いて以来、私の中で考えるハードルが少し下がった気がしています。以前までは、考え込んで立ち止まってしまうようなことでも、「まぁ、何とかなるやろ」と少し前向きに考えられるようになりました。
私に卓球場を作る勇気はありませんが、何か考え込んで立ち止まってしまった時は、父の言葉を思い出して前に進んでいきたいと思います。
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