一歩一歩、歩みを進めることの大切さ
社員が大切にしている言葉を紹介する連載企画「Quotes」。第55回はグローバル推進室の王さん。言葉の魔法体験をさせてくれた、中国初のAAAゲーム『黒神話・悟空』の開発者、Game Science社 CEO 馮驥(フェン・ジー)さんの言葉を紹介します。
せっかくの機会なので、直近の「言葉の魔法」体験を紹介したいと思います。
2024年8月20日、中国初の「AAA(※1)」アクションRPG『黒神話・悟空(Black Myth: Wukong)』が発売されました。私はこの作品を4年間待ち続けてきました。
中国人にとって「西遊記」は特別な存在です。子供のころから「小人書(※2)」やテレビドラマに夢中になり、孫悟空は私にとって無敵のヒーローでした。孫悟空が取経(※3)を終えたあとの新しい物語を題材にしたこのゲームに、私は大きな期待と少しの不安を抱きながらプレイを始めました。すると、ゲームは西遊記の魔幻的な世界を見事に再現しており、今までにない斬新な体験ができたのです。
中国初のAAA作品ということもあり、興味津々で開発会社Game Science社のCEO 馮驥さんのインタビュー動画を拝見しました。想像していた「偉い社長」とは全く違い、普通の先輩のようで、髪も少し少なめ(笑)。やさしい笑顔で記者の質問に丁寧に答えていました。
Game Science社の体制はわずか150人程度、大手チームと比べると驚くほど少ないです。
記者:「(このゲームの開発を)始めるとき、本当に準備はできていましたか?」
馮驥:「準備が完全にできることは、永遠にないと思います。」
この回答に、一瞬で胸を打たれました。彼の言葉に引き込まれて、インタビューを最後まで見入ってしまいました。
記者:「あなたは理想主義者ですか、それとも現実主義者ですか?」
馮驥:「(中略)私たちは現実的な理想主義者になりたいと思っています。こんな言葉があります『最後に人を苦しめるのは遠くの山ではなく、靴の中の砂です。砂は無限にあるけれど、その山に行きたいなら、この過程に耐えるしかない。大事なのは、この過程を理解すること。取経の道を歩むことは、霊山に着くことより大切です(踏上取经路,比抵达灵山更重要)』。」
2024年8月20日、中国初の「AAA(※1)」アクションRPG『黒神話・悟空(Black Myth: Wukong)』が発売されました。私はこの作品を4年間待ち続けてきました。
中国人にとって「西遊記」は特別な存在です。子供のころから「小人書(※2)」やテレビドラマに夢中になり、孫悟空は私にとって無敵のヒーローでした。孫悟空が取経(※3)を終えたあとの新しい物語を題材にしたこのゲームに、私は大きな期待と少しの不安を抱きながらプレイを始めました。すると、ゲームは西遊記の魔幻的な世界を見事に再現しており、今までにない斬新な体験ができたのです。
中国初のAAA作品ということもあり、興味津々で開発会社Game Science社のCEO 馮驥さんのインタビュー動画を拝見しました。想像していた「偉い社長」とは全く違い、普通の先輩のようで、髪も少し少なめ(笑)。やさしい笑顔で記者の質問に丁寧に答えていました。
Game Science社の体制はわずか150人程度、大手チームと比べると驚くほど少ないです。
記者:「(このゲームの開発を)始めるとき、本当に準備はできていましたか?」
馮驥:「準備が完全にできることは、永遠にないと思います。」
この回答に、一瞬で胸を打たれました。彼の言葉に引き込まれて、インタビューを最後まで見入ってしまいました。
記者:「あなたは理想主義者ですか、それとも現実主義者ですか?」
馮驥:「(中略)私たちは現実的な理想主義者になりたいと思っています。こんな言葉があります『最後に人を苦しめるのは遠くの山ではなく、靴の中の砂です。砂は無限にあるけれど、その山に行きたいなら、この過程に耐えるしかない。大事なのは、この過程を理解すること。取経の道を歩むことは、霊山に着くことより大切です(踏上取经路,比抵达灵山更重要)』。」

深く納得しました。そう、どれほど入念に準備しても、理想は遠くの山、障害は数えきれない靴の中の砂。けれど、歩き続ければ必ずゴールに近づきます。「西遊記」の旅も、Game Science社の挑戦も、一歩一歩の歩みが物語を作っています。妖怪に出会い、工夫して乗り越える——目標の達成はもちろん価値がありますが、その“過程”こそ面白いのです。
現実でも、山が高くなかったとしても始めの一歩を踏み出さなければ近づけません。私はこの言葉を聞いて、オールアバウトの「Way ~大切にする仕事のやり方~」のロゴマークに描かれている靴を思い出しました。外国人にとっては、「踏み込む」のような日本語の複合動詞は理解するのが難しいものです。でも、馮さんの言葉から新しい解釈が生まれました。「霊山」を目指して、一歩を踏む(踏む)、そしてさらに深く進む(込む)。この一連の動作を繰り返すことで、もっと遠い景色に出会え、自分の「真経」も手に入れられるはずです。
※1:AAA(トリプルエー)は、一般的に大規模な開発費と開発期間をかけて作られた、高クオリティなゲームを指す言葉。 ※2:小人書は、小さなサイズの絵本のようなもので、1ページごとに挿絵と短い文章で物語を進める「連環画」のこと。 ※3:取経は、仏教の経典を取りにいくこと。
現実でも、山が高くなかったとしても始めの一歩を踏み出さなければ近づけません。私はこの言葉を聞いて、オールアバウトの「Way ~大切にする仕事のやり方~」のロゴマークに描かれている靴を思い出しました。外国人にとっては、「踏み込む」のような日本語の複合動詞は理解するのが難しいものです。でも、馮さんの言葉から新しい解釈が生まれました。「霊山」を目指して、一歩を踏む(踏む)、そしてさらに深く進む(込む)。この一連の動作を繰り返すことで、もっと遠い景色に出会え、自分の「真経」も手に入れられるはずです。
※1:AAA(トリプルエー)は、一般的に大規模な開発費と開発期間をかけて作られた、高クオリティなゲームを指す言葉。 ※2:小人書は、小さなサイズの絵本のようなもので、1ページごとに挿絵と短い文章で物語を進める「連環画」のこと。 ※3:取経は、仏教の経典を取りにいくこと。

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