オールアバウトのミッションとも重なる、自分の中に長年沁みついている言葉
社員が大切にしている言葉を紹介する連載企画「Quotes」。第43回はメディアビジネス部 コンテンツR&Dグループ 中村さん。「メディアを通して未来が楽しみになる人を増やす一助となりたい」と話す中村さんが大事にしている、母黌の“三綱領”を紹介します。
正倫理 明大義(倫理を正し大義を明らかにす)
重廉恥 振元気(廉恥を重んじ元気を振ふ)
磨知識 進文明(知識を磨き文明を進む)
この言葉は三綱領といって地元熊本で通っていた濟々黌高校の言わば校訓のようなもの(HPには三綱領は校訓ではなく、開学以来の主義であり“決まり”と記載されています)です。濟々黌は明治12年に開黌(漢字のこだわりもすごい高校です)し、そのタイミングで生まれた言葉で当時の教育勅語と同じ比重もしくはそれよりも絶対的に重要なものとして受け取られていたそうです。
少し脱線しましたが三綱領について簡単に紹介すると、ひとつ目の「正倫理 明大義」は人の道を外すことなく社会との良いかかわりを大事にしながら大義を持つことが重要であるということ。オールアバウトの「個人を豊かに、社会を元気に。」というミッションはとても好きな言葉で、とても良い大義だなと思っています。また、「テクノロジーと個人のチカラをベースに、世の中の不合理・不条理をなくし、既存の情報流・商流・製造流や社会システムをあるべき姿に変えるイノベーションプラットフォームになる。」という言葉もビジョンを補足する言葉としてコーポレートサイトに記載がありますが、世の中の不合理・不条理をなくしたいという言葉は、倫理を正しくするという意味にも近く、共通する部分があるなと思います。
ふたつ目の「重廉恥 振元気」について、恥を知ることは日本人の伝統的美徳であり、やるべきことは勇気を持って実行に移すべきであるという言葉(かなり意訳しました)です。また、健全なる精神は健全なる身体に宿るというローマの諺も合わせて紹介されるのですが、現在私はお酒を飲みすぎたのか肝臓のγ-GTPで精密検査になってしまってこの言葉の体現ができていません。
最後の「磨知識 進文明」は私が最も好きなフレーズです。明治初期の文明開化を実現した背景には多くの日本人が知識を磨いたことがありき、日本という国の経済や生活を急激に発展させるに至りました。ちなみに、明治時代に生まれた文明としては鉄道や電信、新聞といったものがあり、今も私たちの生活を支えているものばかりです。生活が豊かになる背景には知識を磨いた誰かの集大成があります。メディアに携わる身としては、自分自身が知識を磨くことはもちろんのこと、今を生きる人にとって役立つ知識の提供を行うことで文明を進め、社会全体が豊かになるような一助となれたらと考えています。
ふたつ目の「重廉恥 振元気」について、恥を知ることは日本人の伝統的美徳であり、やるべきことは勇気を持って実行に移すべきであるという言葉(かなり意訳しました)です。また、健全なる精神は健全なる身体に宿るというローマの諺も合わせて紹介されるのですが、現在私はお酒を飲みすぎたのか肝臓のγ-GTPで精密検査になってしまってこの言葉の体現ができていません。
最後の「磨知識 進文明」は私が最も好きなフレーズです。明治初期の文明開化を実現した背景には多くの日本人が知識を磨いたことがありき、日本という国の経済や生活を急激に発展させるに至りました。ちなみに、明治時代に生まれた文明としては鉄道や電信、新聞といったものがあり、今も私たちの生活を支えているものばかりです。生活が豊かになる背景には知識を磨いた誰かの集大成があります。メディアに携わる身としては、自分自身が知識を磨くことはもちろんのこと、今を生きる人にとって役立つ知識の提供を行うことで文明を進め、社会全体が豊かになるような一助となれたらと考えています。
最後に、せっかくの機会なので最近のメディア事情について考えていることをつらつらと書いてみました。ほぼ個人的な悩みです。共感いただける方がいらっしゃいましたら私はソフトドリンクで恐縮ですが飲みに行けると嬉しいです。
現在、Webメディアに限らずあらゆる情報は興味がある人にしか届かなくなっています。検索エンジン経由の情報取得はキーワードを入れないと欲しい情報に辿り着かないのでそれはもちろんそうなのですが、YouTubeやXといったSNS、Google Discoverについても訪れる生活者が何に興味を持っているかを推測して情報を出しています。
テレビや新聞は興味がない人にも届けられる手段であるという情報媒体であるという声もありますが、興味がない人に情報を届けられる絶対数は低くなっていると思います。先日実家の熊本に帰省した際、両親(もうすぐ60歳)はテレビの画面でテレビを見ることなく、YouTubeでずっとSnow Manやチェッカーズ、BOØWYといった好きなアーティストのライブ映像といった動画を見ていました。
つまり、同じ時間に視聴できる選択肢が数個しかないという世界にもう戻ることはできません。さらに、現在は生成AIの登場によって検索エンジンを利用して情報を得る人が少なくなっていくことも予想されています。
そのような時代のなかで、企業が運営するWebメディアはどのような情報を発信するかが本当に問われています。本来Webメディアの存在意義は読者が必要と思う情報を届けて、その読者の生活が豊かになることだと思っていますが、最近はいかに効率的に記事を作って多くの読者に届けるかということが生存戦略になっているメディアが増え、大義が無くなっているように感じてなりません。むしろ生活者の貴重な時間を奪いに行ってしまっているような感覚です。
これは個人のエゴなのかもしれませんが、読者にとって「興味はないが実は知っておいた方がお得な情報」が世の中に沢山あると思います。そのような中で現在の情報流通の仕組みにおける構造的な問題とAIの登場によってフェイクニュースも生まれやすくなった結果、情報の分断がどんどん進み、情報格差によって生活の豊かさが大きく乖離してしまうという現象が起きているように思えてなりません。
例えば、投資の情報をひとつとっても投資をしている人としていない人とでは同じ世帯年収でも資産に2倍近くの差が生まれているという結果も調査で明らかになりました。
現在、Webメディアに限らずあらゆる情報は興味がある人にしか届かなくなっています。検索エンジン経由の情報取得はキーワードを入れないと欲しい情報に辿り着かないのでそれはもちろんそうなのですが、YouTubeやXといったSNS、Google Discoverについても訪れる生活者が何に興味を持っているかを推測して情報を出しています。
テレビや新聞は興味がない人にも届けられる手段であるという情報媒体であるという声もありますが、興味がない人に情報を届けられる絶対数は低くなっていると思います。先日実家の熊本に帰省した際、両親(もうすぐ60歳)はテレビの画面でテレビを見ることなく、YouTubeでずっとSnow Manやチェッカーズ、BOØWYといった好きなアーティストのライブ映像といった動画を見ていました。
つまり、同じ時間に視聴できる選択肢が数個しかないという世界にもう戻ることはできません。さらに、現在は生成AIの登場によって検索エンジンを利用して情報を得る人が少なくなっていくことも予想されています。
そのような時代のなかで、企業が運営するWebメディアはどのような情報を発信するかが本当に問われています。本来Webメディアの存在意義は読者が必要と思う情報を届けて、その読者の生活が豊かになることだと思っていますが、最近はいかに効率的に記事を作って多くの読者に届けるかということが生存戦略になっているメディアが増え、大義が無くなっているように感じてなりません。むしろ生活者の貴重な時間を奪いに行ってしまっているような感覚です。
これは個人のエゴなのかもしれませんが、読者にとって「興味はないが実は知っておいた方がお得な情報」が世の中に沢山あると思います。そのような中で現在の情報流通の仕組みにおける構造的な問題とAIの登場によってフェイクニュースも生まれやすくなった結果、情報の分断がどんどん進み、情報格差によって生活の豊かさが大きく乖離してしまうという現象が起きているように思えてなりません。
例えば、投資の情報をひとつとっても投資をしている人としていない人とでは同じ世帯年収でも資産に2倍近くの差が生まれているという結果も調査で明らかになりました。
現在、コンテンツR&Dグループと2024年4月から名称が変わった部署で、どうすれば「個人を豊かに、社会を元気に。」を実現する情報流通の設計とマネタイズの両立ができるかをあの手この手で実証しては、うまくいったものを実装するという仕事をしています。
まだまだ文明を進めたとは言えない道半ばではありますが、今後もR&Dグループとして知識を磨きながら文明を進める一助となれたらと考えています。
まだまだ文明を進めたとは言えない道半ばではありますが、今後もR&Dグループとして知識を磨きながら文明を進める一助となれたらと考えています。
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